18歳以下の子育て世帯に支給される「子育て世帯への臨時特別給付」(以下給付金)。コロナ禍が続く中で、子どもたちを支援するために、年収が960万円以上の世帯を除き子ども一人当たり10万円相当の給付が行われます。高校生新聞ではLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしてくれている読者の中高生のうち535人に2022年1月に、「給付金の使い道」「政策への意見」などについてアンケートを行いました。(編集・越沢琴奈)
「現金10万円一括給付」が約3割 給付金はどう支給される?
アンケートに回答してくれた中高生全員に、給付金がどの方法で支給されるのかを聞きました。「現金10万円を一括給付」「現金5万円とクーポン券5万円に分けて給付」「現金5万円ずつ2回に分けて給付」「給付対象の世帯ではない」「分からない・知らない」の選択肢から選んでもらいました。

アンケートに答えてくれた中高生のうち、「現金10万円を一括給付」を選んだ人が34%。他2つの支給方法は「現金5万円とクーポン券5万円に分けて給付」が3%、「現金5万円ずつ2回に分けて給付」8%でした。。
この結果から、給付金の支給がある(上記3つの回答を選んだ)中高生160人のうち、75%が「現金10万円を一括給付」。「現金5万円とクーポン券5万円に分けて給付」は給付金の支給のある中高生のうち、6.7%、「現金5万円ずつ2回に分けて給付」は17.8%でした。
給付金、誰が使える?「保護者がすべて管理する」が半数
続いて、給付金が支給される中高生に、家庭の中で給付金を誰が使えるのか、「保護者が全て管理する」「自分が全て使える」「一部だけ自分が使える」「決まっていない、わからない」の選択肢から選んでもらいました。

「保護者が全て管理する」という中高生が最も多く、56%でした。管理は保護者が行うものの、中高生自身の貯金になったり、学費になったりすることもあるようです。
給付金を「自分が全て使える」という人は11%、「一部だけ自分が使える」という人は8%でした。
給付金の使い道、4割が「自分の教育費」に
給付金が支給される中高生に、どのように使う予定か、「自分の教育費(授業料や受験料・入学金、塾など)」「自分の貯金」「家庭の貯金」「家庭の生活費(食費・家賃・光熱費など)」「自分の娯楽費(玩具・ゲーム・本や漫画・服など)」「家庭の娯楽費(遊び、趣味、出掛ける、旅行など)」「その他」「分からない」の選択肢から選んでもらいました(複数回答可)。

アンケートに答えてくれた中高生のうち、「自分の教育費(授業料や受験料・入学金、塾など)」に使う予定の人が最も多く、45.2%。「自分の貯金」とする予定の人は27.9%、「自分の娯楽費(玩具・ゲーム・本や漫画・服など)」にする予定の人は15.6%でした。
対して、給付金を家族で使う予定の人も。「家庭の貯金」にする人は21.3%、「家庭の生活費(食費・家賃・光熱費など)」に使う人は18.3%、「家庭の娯楽費(遊び、趣味、出かける、旅行など)」に使う人は7.3%でした。
それでは、中高生は具体的にどのようなことに給付金を使う予定なのでしょうか? 詳しく教えてもらいました。「受験や進学費用」「将来のための貯金」などが多い中、意外な使い方も…?
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高校・大学受験のための費用
■受験費用に
受験なので受験費用に使いたい。これから高校への入学金等もかかってきます。給付金で少しでもお金の負担を減らしたい。(中学3年女子、東京)
■教材と息抜きに
受験を控えているので、過去問と学習参考書、息抜きのためにゲームに使います。高校ではアルバイトが校則で禁止されてるので、自分用に残りは貯金します。(中学2年男子、愛知)
■自分専用の学習机に
今まで自分専用の学習机がありませんでした。受験生になるのを機に自分専用の学習机を買うつもりです。残りはオープンキャンパスに行くための費用に使います。(高校2年女子、秋田)
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高校・大学の入学金、授業料
■大学への進学費用に
大学に進学するための費用にします。コロナで収入が減ってしまったためです。(高校3年、栃木)
大学に入学したとき用の学費にします。(高校2年女子、和歌山)
大学生活に向けて、貯金します。(高校3年男子、大阪)
■高校への進学費用に
高校が私立なので、入学金にする予定です。(中学3年女子、愛知)
高校入学のために、部活の道具や制服などに使います。(中学3年男子、宮城)
まだ、決まってはいません。おそらく、貯金、もしくは高校での授業料などに使われると思います。(中学3年女子、富山)
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将来の自分のために貯金
■将来使えるように
将来の自分のため、生活費に充てるための貯金にします。(高校1年男子、富山)
■お年玉と同じように貯金
親が貯金すると思います。私がもらうことはないです。お年玉と同じように、私の通帳に入金して、将来使うように貯金してくれると思います。(中学1年女子、京都)
画像1 給付金は貯金する?
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趣味のグッズを買う
■少し高価なお買い物を
ヘアアイロンやカメラなど、少し高価なお買い物をしたいです。(高校1年女子、東京)
■家族の誕生日プレゼントや好きなアニメのグッズに
家族の誕生日プレゼントや、家庭の生活費、自分が好きなアニメやアイドル等のグッズに8万を使い、残りの2万は貯金します。(高校2年、宮城)
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一部は趣味に、一部は家族に
■一部お小遣い、残りは家族の生活費として
1万円お小遣いとしてもらって、残りは家族の生活費などになります。(高校3年女子、東京)
1万円程度は自分のほしいものに使い、その他は兄弟の通学費や食費です。(高校1年女子、北海道)
3万円は自分がもらって、残りの7万円は親が家庭の生活費とかに使います。(高校1年、東京)
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給付金は家族が使う
■新しい洗濯機を買う
私の家は家族が多いため、今の機種の古い洗濯機では全員分を洗うには1日に何度も洗わなくてはなりません。なので、新しい洗濯機を買う予定らしいです。(中学1年女子、東京)
■使い道を教えてほしい…
給付金は家族に管理されます。なので、どうなったかわかりません(笑)。前回の給付金の時も親が全て管理し、消費したそうです。正直、後からでもいいので使い道を教えてほしいです。(中学2年女子、東京)
7割以上が「良い政策」と回答、より必要な人に渡すべきではとの声も
アンケートに回答してくれた中高生全員に、今回の給付金支給についての意見を聞きました。この制作をよいと思うか「よい政策だ」「どちらかといえばよい政策だ」「どちらかといえばよくない政策だ」「よくない政策だ」の選択肢から選んでもらいました。

約半数(47%)の中高生が「どちらかといえばよい政策だ」、3割ほど(27%)の中高生が「よい政策だ」と回答しました。合わせて7割以上が今回の政策について、比較的ポジティブな思いを抱いているようです。対して、「どちらかといえばよくない政策だ」と回答した中高生は16%、「よくない政策だ」と回答した中高生は10%でした。
続いて、「賛成・反対の理由」や「感じたこと」を聞いてみました。

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新生活の準備に充てられる
■「給付金は必要」
賛成です。コロナの影響で生活に困窮している方を少しでも救うために、給付金は必要。(高校1年女子、千葉)
■「10万円給付は良い」けれど…
4月前に10万円を給付することによって、新生活の準備金に充てることができるのは良いと思う。ただ、いまだコロナがおさまっていない中で外出を誘発させるような政策には、少し疑問は残る。(高校3年女子、栃木)
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本当に必要な人、家庭へ届けてほしい
■大学生のほうが困っているのでは?
18歳以上にあたる大学生のほうが金銭的には困っているのでは。給付する年齢層を引き上げるべき。(高校3年女子、滋賀)
18歳以下にただ配るだけでは意味がない。19歳以上でも困っている人はいます。生活状況を調べて、給付すべき人を選ぶべきです。(中学2年女子、東京)
■大人の仕事のサポートのために活用して
賛成ですが、学生や飲食業の方などにもっと給付するべきでは。(中学3年男子、大阪)
給付金はうれしかったけれど、今一番大変なのはサービス業や飲食業だと思います。大人の仕事のサポートのために活用してほしかったです。「企業へ政府からお金を振り込む」という話があるなら、そちらを優先すべきだと思いました。(高校1年女子、岐阜)
■より困っている人々へより多い金額で
ひとり親の家庭にもう少し多い金額で支給すべきでは。年収によって給付金額を変えてもいいと思います。(高校2年、東京)
(世帯主の)収入ベースではなく、家庭の事情(母子家庭、父子家庭等)を優先事項において支給してほしかったです。(高校2年男子、京都)
■子どもの人数や状況をもっと考慮して
私の家庭は3人きょうだいで、全員中高生です。しかも中学受験をしたため私立に通っています。所得制限により給付金をいただけませんでした。正直、3人の学費を合わせると相当な額になります。母も「給付金がほしかった」と言っていました。収入だけではなく「何人中高生がいるのか」など家庭の状況も考えてほしかったです。(中学2年女子、埼玉)
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給付方法に疑問「なぜクーポン?」「決定に時間かかりすぎ」
■給付方法を早く統一してほしかった
「クーポンだけ」「現金とクーポン半々」「すべて現金」など、支給の方法がギリギリになって決まっているのを知りました。もう少し早く決断したほうがいいと思います。(中学3年女子、広島)
■クーポンではなくてもよかったのでは?
なぜすべての給付金が、一括で10万円ではないのかよく分かりません。クーポンを給付するときと現金を給付するときで給付に必要な金額の差が大きすぎます。たしかにクーポンを使ってほしいのはわかります。しかし、もしクーポンを作らなければ、今本当に困っている人にクーポンを作らずに浮いたお金を渡せるはずです。(中学2年女子、東京)
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