一生懸命話しているのに「ん?なんて?」……何度も聞き返されて悲しくなるなんて経験、ある人も多いはず。放送部に所属する藤井美羽さん(東京・学習院女子高等科2年)が開発したアプリ「sitasuberi」は、滑舌をよくするトレーニングができる画期的なものだ。アプリ開発の全国大会「アプリ甲子園」に出場したこのアプリの特長や活用法を聞いた。(高槻官汰)

200を超える文章で滑舌向上

「sitasuberi」は、滑舌をよくするためのトレーニング法に悩む人に向けて開発されたアプリ。あ行からわ行までの早口言葉に加えて、声優養成所で用いられている歌舞伎の演目「外郎売」のセリフが収録されている。

滑舌をよくするためのアプリ「sitasuberi」

200を超す文章を使って滑舌向上のための練習ができる「sitasuberi」。開発のきっかけは、藤井さんが放送部に所属していること、スマートフォンで手軽に滑舌向上トレーニングができたらという思いを持っていたことの2点だ。

アプリ内には、放送部でトレーニング用に読む原稿が収録されている。文章をランダムに表示する機能を搭載し、単調にならないよう工夫されている。

ゲーム感覚で楽しくレベルアップ

デザインは原稿用紙をモチーフにした。「アプリのデザインは一番こだわった点であり、難しかった点でもある」と藤井さん。味気なさを感じ、オリジナルスタンプを追加するなど試行錯誤を重ねた。

今後は、音声認識によって得点を表示する機能を追加するなどして、ゲーム性を高めて、より多くの人に使ってもらえるアプリを目指す。

「sitasuberi」の開発者、藤井美羽さん

将来の進路については「幅広い分野に興味があるので、どのような学びを進めていくか明確には定まっていない。将来的にはものづくりに携われたらいいなと思っている」という。

「プログラミングを始めて1年の私がファイナリストになれた。少し迷っているようなら、この大会に挑戦するべきだと思う」と後進にエールを送った。