伊藤貴之君(神奈川・鹿島山北高校3年)は、言葉を計算して新しいアイデアを生み出すユニークなアプリ「WordStand」を開発し、「アプリ甲子園2021」の決勝大会でCygames賞を受賞した。(高槻官汰)

言葉を電卓で計算する新発想

「WordStand」は、「ピザ-イタリア+大阪=お好み焼き」「ブロックチェーン+お金=仮装通貨」のように、言葉同士の足し算・引き算を通して、言葉で表現しにくい抽象的なイメージを具体的に表現することを実現した。いわば「言葉の電卓」のようなアプリだ。

言葉を計算する「WordStand」

ゲームにしたり、アイデアを交換したり

普通の電卓は「1+1=2」のように、数値同士の計算が行われる。元々プログラミングで言葉を扱ったり、文章をAIで処理したりすることに興味を持っていた伊藤君。言葉を「数学的なデータ」として扱って数値化し、計算ができる状態にすることで、言葉の計算を実現した。現時点で約10万語の単語が収録されているという。

今後は、「お題」として出た言葉を「言葉の計算」で当てるゲーム機能を開発すること、言葉の計算を通して得たアイデアを交換する場を創ることなどを検討している。

「WordStand」開発者の伊藤貴之君

伊藤君のアプリは10月24日、小中高生のアプリ開発者が企画力と技術力を競い合う「アプリ甲子園2021」の決勝大会でCygames賞を受賞した。将来の進路については「ITと金融を掛け合わせたような業界に進みたい」というビジョンを描いている。