私たちはとにかく忙しい。高校生なら勉強、部活、行事に課外活動、社会人なら仕事に家事育児と時間に追われる日々。充実した時間を送るためには「スキマ時間」をどう活用できるかが鍵を握っている。西山朋佳さん(神奈川・川崎市立川崎高校2年)は、スキマ時間を有効活用するためのアプリ「SukiTime」を開発し、「アプリ甲子園」決勝大会に出場した。(高槻官汰)
スキマ時間を有効に使うアプリを開発
「SukiTime」は、仕事の合間、電車やバスの待ち合わせなどの「スキマ時間」を有効に活用することを手助けするアプリだ。
2014年にパナソニックが行った調査によれば、私たちは1日平均1時間9分ものスキマ時間を無駄にしている。西山さんはこのデータから、「スキマ時間を上手に活用できれば、人生を充実させることができる」と考えた。
同じ高校の生徒75人にアンケート調査をしたところ、「スキマ時間をうまく活用できていない」と感じる人は約8割に上った。スキマ時間にやるべきことが思いつかない人が多いとみて、その解消のためのアプリを開発した。
簡単に直観的に使える設計
アプリには事前にやるべきことと所要時間を登録しておく。スキマ時間が生じたら、その時間の長さに応じてやるべきことを選ぶ。「英単語の暗記・5分」と登録しておき、5分のスキマ時間ができればそれを行うという具合だ。操作方法は簡単で、直感的に使うことができる。
ホーム画面には、その日活用したスキマ時間の合計が表示される。「何気ない表示に見えるが、自分のスキマ時間を把握するきっかけとなる意義がある」と西山さんは強調する。
人の暮らしを便利にするものづくりがしたい
アプリは高い評価を受け、小中高生のアプリ開発者が企画力と技術力を競い合う「アプリ甲子園2021」の決勝大会(10月24日)に進んだ。
アプリ甲子園出場を目指す中高生に「私はプログラミングを始めて間もなかったが、アプリを作りたいという情熱があれば誰でも出品できると思う。いろいろな人の意見を聞ける良い機会なのでぜひ挑戦してほしい」とエールを送った。
将来の進路は「まだ本格的に決めていないが、人の暮らしを便利にできるものづくりができればいいなと思っている」と語った。