英語を話す力をつけるには、実際に話す練習を積まないといけないが、初心者にはなかなかハードルが高い……。そんな悩みを解決するアプリ「AIbou」を、上坂進之祐君、古田基忠君(東京・渋谷教育学園渋谷高校3年)、大塚嶺君(同1年)が開発。アプリ制作の全国大会で優勝した。(高槻官汰)
初心者でも楽しくAIと英会話
英語学習を始めて間もない初心者にとって、実際に人前で英語を話す機会を設けることはハードルが高い。「単語が分からず会話が途切れてしまわないか」「間違えたら恥ずかしい」などの不安が拭いきれないためだ。

「AIbou」は、そんな不安を解消し、初心者でも楽しく英会話を学べるアプリ。AIを活用した英会話なので、対面での英会話のような気遣いは必要なく、シャイな学習者でも楽しく取り組める。費用も比較的かからない。

このアプリは日本語だけでなく、中国語や韓国語を母語とする人にも対応。日常生活で使う英会話を練習するコース、映画や音楽などの決められた話題について会話するコースなど合わせて5つのコースがある。学習者はおのおのの習熟度に合わせて、最適なコースを選べる。
まるでネイティブと話してるみたい
AIが英文を添削してくれる機能、返答に詰まったときに回答例を示してくれる機能も搭載されており、学んだ文法や単語などのアウトプットを手厚くサポートしてくれる。
英会話に最適化されたAIを独自に開発し、試行錯誤を繰り返したことで、定型文しか返すことのできない英会話アプリでは出せない「ネイティブと話しているような感覚」を生み出すことに成功したという。
開発1年、努力実った
このアプリは10月24日、小中高生のアプリ開発者が企画力と技術力を競う「アプリ甲子園2021」決勝大会で優勝。500点満点中452点という高得点で評価されたことに対して、古田君は「1年間くらいアプリ開発をしてきた努力が報われてうれしい」と笑顔を見せた。上坂君も「皆のおかげで優勝できたと思っています」とにっこり。

来年度の出場者に向けて大塚君は「アプリを開発する上でのモチベーションの確保は大変。アプリを作る上で一番大切なことは、自分のアプリを使ってくれた他者からの意見を素直に吸収し、生かしていくこと」とアドバイスをくれた。
「アプリ甲子園2021」結果
結果は以下の通り。
- 優勝・総務大臣賞 「AIbou」上坂進之祐君、古田基忠君、大塚嶺君(東京・渋谷教育学園渋谷高校)
- 準優勝 「WordCam」保坂篤志君(東京・早稲田実業学校高等部・3年)
- 第3位・技術賞 「Presc」青木勇樹君(東京・新宿山吹高校・3年)
- 特別企業賞
- Cygames賞 「WordStand」伊藤貴之君(神奈川・鹿島山北高校・3年)
- 丸井グループ賞 「ROLL THE DICE」宇枝礼央君(東京・杉並区立中瀬中学校・2年)