大根田渓心君(栃木・宇都宮高校3年)の写真作品「男の娘(おとこのこ)」を紹介します。高校の文化祭の「女装コンテスト」で男子高校生らの姿を撮影したこの作品は、文化部の全国大会「全国高校総合文化祭 紀の国わかやま総文2021」の写真部門に出展されました。どのようにして撮影したのか聞きました。
文化祭の女装コンテストを知ってほしくて
―作品のテーマを教えてください。
私の高校(男子校)では、文化祭の企画として「ミス宇高」と呼ばれる女装コンテストがあり、その一場面を切り取った作品です。
本校の名物行事を多くの人に知ってほしいと思い、出品しました。はじめは面白い写真が撮れたという認識しかありませんでしたが、他の人からの感想や意見を聞くたび、自分の心の奥で裏テーマのように「性の肯定」という題材を決めて出品したのだな、と思っています。
―こだわったり、工夫したりしたポイントは?
生徒たちが楽しんでいて、努力している姿を存分に生かした写真が撮れるように意識しました。
―何が難しかったですか?
ホール内は少し暗く、撮影には非常に厳しい環境で、激しい動きをブレずに撮るのは難しかったです。
写真を編集、選出するときは、色にこだわり、画角の収まりなど、多くのことに気を遣いました。
楽しそうな先生に大盛り上がり
―撮影中のエピソードを教えてください。
このチームのダンスが始まったとき、写っている前から2番目の人が先生だと気付きました。非常に楽しそうに踊っていて、会場が非常に盛り上がっていたのが印象的でした。
―よい作品を作るためのコツを教えてください。
自分もまだまだ至らない点が多いですが、人を引きつける写真を撮るコツとしては、カメラを構える前に自分が何を撮りたいかをよく考えてから撮影することです。
また、何万枚と写真を撮って、何が良いのか、何が悪いのかを見極めるスキルを身に付けることだと考えます。