子どもは親を選べない「親ガチャ」という言葉が今年の流行語にノミネートされました。子どもに悪影響を及ぼす「毒親」の元で暮らしてきたという読者のみちるさん(大学1年)。どんな生活をしてきたかを打ち明けてもらいました。

私と母は正反対、趣味を気持ち悪いと言われ

母はきれい好きですが、私は少し散らかった部屋の方が落ち着きます。整然と並べられた教科書よりも、雑に積み上げられた状態が気楽で好きなのです。

母はスポーツが好きですが、私は文化系の部活動に入りました。母はアニメや声優さん、コミック、小説の好きな私を「陰気、根暗、ヲタクとかやめてよ、気持ち悪い」とグチグチ言ってきます。

母は趣味を認めてくれない(写真はイメージ)

ある時は部屋を片付けろと言われ、「そんなに散らかってないじゃん」と納得がいかず言い返すと、翌日、私の部屋にあったアニメのグッズなどがゴミ箱に捨てられていた、なんてこともありました。

母は私といつも対極にいて、私という個性を認めてはくれませんでした。

スマホの厳しいルール、LINE家族のみSNS禁止

スマホ、SNSについての「縛り」が私にとっては一番苦痛です。

私は中学2年生のときに、塾に通うための連絡手段としてキッズスマホを持たせてもらいましたが、決まり事がたくさんありました。LINEは家族のみ。ネットワークにアクセスしてはいけない。ゲームをしてはいけない。夜8時にはスマホをリビングへ。

周りの友達がLINEで連絡を取っている中、私はスマホを持っているにもかかわらず、連絡することが許されませんでした。やってみたいゲームがあって頼んでみても、「そんなことしている暇があるの?」とひどくしかられ、「SNSを見たいから投稿をしないという約束でさせてほしい」と言っても、許してはもらえませんでした。

ゲームにもLINEにもSNSにもついていけない。いろんなことに遅れたまま高校生になってもその縛りは解けず、私は耐えきれなくなって叔父に相談しました。「SNSが危険なのはわかるが、親しい友人同士でのLINEまで禁止するのは違うだろう。ゲームも自分で時間を決めてやったらいい」とアドバイスを受け、母に無断でインストールしたり、友人のLINEを追加したりしました。

大学生になった今も、この決まり事は継続。食費と学費は払ってもらっていますが、バイト代から携帯代と定期代、薬代などは捻出しています。家事はほぼ強制的に、私の仕事です。それでもルールを変えてくれません。今年はとうとう、SNSも始めました。

 家事もほぼ強制的にやらされてきた(写真はイメージ)

母に似た弟は自由にスマホが使えるのに

そんな私には、サッカーが好きで、母によく似た中1の弟がいます。すでにスマホを与えられた弟は、驚くことに、母から許可を得て、ゲームもSNSもLINEも自由に使っていました。大学生の娘にはダメだと言い続けていることを、中学生の弟には許すのだと思うと、悲しくなりました。

母に「私はだめで弟はいいのはなぜか」と聞くと、「時代が違うでしょう」と。私も同じ時代を生きているのに。「料金は自分で払っている、そろそろ束縛をやめてほしい」と伝えると、「親の言うことが聞けないの? ほんとに使えない」と。

「“使えなくて”結構」と、ひと月前からスマホを両親に預けていません。そして、ずっと負担していた家事もしていません。母はしないでしょうから、きっと父がやってくれているのでしょう。(大学1年・みちる)

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