松本百恵さん(三重・飯野高校3年)の美術作品「猫」を紹介します。猫のしなやかな体を、針金を使って表現した作品で、全国高校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)の美術・工芸部門に出展されました。どのようにして制作したのか聞きました。
あえて無機質な針金を素材に
―作品のテーマを教えてください。
私は猫が好きです。感情をなかなか読み取りにくい猫の内面性を、針金という量感のない素材で、猫の体の特徴である柔軟性やのびのびとした表情を作りたいと思いました。
無機質な針金を使い、猫の柔らかさや温かさを表現しました。
―こだわったり、工夫したりしたポイントは?
針金を金網のように編むことにより量感を出すように工夫し、輪郭線を追いかけるように作り、中を空洞にすることにこだわりました。
大変な編む作業、友達に励まされ完遂
―何が難しかったですか?
部活動と制作の両立が大変でした。一目一目編み上げていくことの大変さが、作業が進むにつれわかってきて、完成まで間に合うか心配でした。
―制作中のエピソードを教えてください。
ひと夏をかけて作品を完成させるという目標をもって取り組みましたが、他の子たちと比較すると制作時間が少なく、焦りました。でもみんなが声をかけてくれて何とか完成できました。
制作は一人でするものですが、周囲の友達も同じ目標に向かって制作していると考えると、頑張らなければという気持ちが湧いてきました。
―よい作品を作るためのコツを教えてください。
良い作品を創ることを意識するのではなく、自分の好きなものを創るように心掛けるといいと思います。