高校3年間は、過ごし方や選択で将来が大きく変わってしまう大事な時期。「勉強がうまくいかない」「進路が決まらない」など、悩みが尽きないでしょう。20歳で学習塾を創業し、3500人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者からの勉強や進路に関わるお悩み相談に答えてもらいました。

【お悩み】勉強のスケジュールが立てられない

勉強するときに、「スケジュールを立てることが大切だ」というアドバイスをよく聞くのですが、私は苦手なんです。なんとかスケジュールを決めても、すぐに予想外の予定が入るなど、思ったように勉強が進まず、予定通りに進んだことがありません。自分がこなせる課題の量もいまだに分かっていないです。

どうやって普段の勉強のスケジュールを組むのがオススメか、もし予定が崩れてしまった時の立て直し方も含めて教えていただきたいです! あわせて、自分のできる勉強の量をどうやって見極めるのかも知りたいです。(高校3年女子)

スケジュールを決めても予定通り進まない……(写真はイメージ)

スケジュールが立てられないのは「普通」だよ

スケジュールを立ててもなかなかその通りにいかないときってありますよね。でも、実はそれが普通なのです。多くの人は実はそんな感じです。ですから、あなたができないのが問題というのではなく、多くの人が同じ問題を抱えているのです。

でも、そのままでいいわけではないでしょうから、今回は、スケジュールがうまくいっている人に共通方法についてお話しましょう。これを知ると、スケジュールの立て方や実行の仕方がわかってくるでしょう。

スケジュール管理「5つのステップ」

1、1週間単位

1週間単位で作る。そのため見開き1週間の手帳など(スマホアプリでも可能)を用意する。

2、避けられない予定を入れる

絶対にやらなければならない予定を入れる(例:学校、塾、習い事など)。

まずは決まってる予定を入れる

3、やるべき予定を入れる

次に空いた時間に、やるべきことを入れる(例:宿題、自主勉強など)。

ただし、この空いた時間というのは、まとまった1時間で入れられるならば入れてもいいですが、忙しい高校生は、時間を分割して空いている「隙間時間」を使うと予定がはかどります。例えば、電車通学なら、電車内では単語テストの勉強をするなど。

やるべき予定を書き込む

4、消込作業

終わったことは赤で消込作業します(アプリの場合は終わったことを消去する)。赤で消すことで、「終わった!」という印象をつけることと、消えていないことは「やらないと!」と自分に言い聞かせる効果があります。ペンを使って横棒で消す程度よりも、赤で塗りつぶす、蛍光ペンで塗ってしまう方が圧倒的に効果があります。

赤でずばっと消しちゃおう

5、修正

スケジュールはほぼ確実にその通りに進みません。ですから予定を修正していきます。この修正が大切です。まずは1週間の中で修正のやりくりしてみましょう。

もし週末までに終わらないというのであれば、翌週に書き写しをします。それでも、実行できないとしたら、その作業はそもそもやる必要がないか、やる必要があるとしたら、「時間の分割」をしてみてください。例えば、60分かかるものであれば、15分を4回に分けて、時間も場所も変えてそれぞれを設定してみてください。

できなかったらすぐ修正

できる量の削減にコツ

最後に自分の勉強量の見極め方ですが、これはやってみなければわかりません。まずは、「これくらいならできるだろう」と思って計画してやってみます。それがこなせるのであれば問題ありませんが、そうでなければ、方法として、量の削減になります。ただし、削減方法が大切です。

例えば問題集であれば、(1)~(10)までやるとしましょう。そのとき、余裕があるならすべてやりますが、そうでなければ、奇数番号だけをやります。なぜなら(1)と(2)、(3)と(4)は同じようなタイプの問題となっているからです。

そのため、奇数番号をやれば一通りやったことになるからです。それを(1)~(5)までとやってしまうと、後半部分がマスターできません。ですから1つ飛ばしで問題をやればいいでしょう。こうして「合理化」をさせていくのです。

勉強は「いかに楽してマスターするか」これを目指して仕組み化させていきます。ぜひ参考にしてみてください。

 
石田勝紀さん 
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数

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