高校生活は友達関係が広がる分、悩みもつきません。「心がつらい、苦しい」と感じること、ありますよね。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた悩みに答えてもらいました。

【お悩み】感情のコントロールができない

私は気分屋で、よく周りの人を困惑させてきました。あることで上限まで楽しくなったら、すぐ心配になったり悲しくなったりします。さらに、他人に厳しくいつもイライラしてしまいます。

中学校まではとても仲が良い友達が理解してくれていたので、なんとかやっていけていました。

気分屋でいつもイライラしてしまう……

ですが、高校生になって知らない人たちに囲まれ、新しい環境に戸惑い、感情をコントロールできずに毎日ヘトヘトです。

大人になったとき、このままじゃダメだと思い相談しました。私はどうやって感情をコントロールすればいいですか?(高1・女子・ホシかけゴハン)

感情のコントロールは、年齢問わず多くの人が悩むテーマだと思います。ホシかけゴハンさんは人間味のある、感受性が豊かな方のようですね。しかし、その豊かさ故に自分も振り回されてしまい、毎日ヘトヘトになっているのではないでしょうか。

あなたのすてきな面が生かされるように、一緒に感情との付き合い方について考えていきましょう!

【1】自分のコンディションに気付く

疲れていませんか? 体調を崩してはいませんか? どんな人もコンディションが悪いと、気持ちは乱れがちになります。おなかがすいてもイライラするので、休憩をしたり、おやつを食べたりするなど、早めに行動することをオススメします。

体調不良のときは、なるべく刺激を受けないように、行動範囲を控え目にしましょうね。

自分のコンディションをチェックしてみて

【2】自分の行動に目を向ける

常に意識することは難しいので、まずはあなたが「こういう時は、周りの人を困惑させている」と思う場面は、自分に意識を向けましょう。友達と一緒にいる時などは、たまに自分を客観的に見て、「何をしたらよいか」思い出してみてください。

感情が高ぶると、自分の状態に気が付くことや、行動を変えることが特に難しくなってしまいます。できれば早めに「いまは何をするといいかな?」と目を向ける癖をつけると良いように思います。

【3】「いま、ここ」に意識を向ける

私があなたにオススメしたいことは「マインドフルネス」です。それは自分の「いまに意識を向ける」心の在り方、と考えてもらうといいと思います。

まずは、自分の頭に浮かんでいることに対して、「良い/悪い」などの評価をせず、ありのままを見つめること。そして、自分の意思で注意を向けることが大切だと言われています。習慣になると自分を客観視しやすくなり、ちょっとした心の変化やゆらぎに気づきやすくなる上、目の前のことに集中できるようにもなります。

できれば専門家と一緒に取り組んでほしいのですが、参考になる本は多くあるので、何か目を通してみるのもいいでしょう。

いま、練習方法を挙げるとしたら、「香りを“味わう”」こと。好きなアロマや、コーヒーや紅茶などもいいでしょう。じ~っくりその香りを楽しむことだけを短時間でいいのでやってみてください。頭に浮かぶことに気を取られず、「味わう」ことに意識を向けることが大切です。

アロマなどの香りを味わってみて

ホシかけゴハンさんのすてきなところを残しつつ、自分が振り回されない心の在り方を身に付けてください!

 

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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