高校へ入学してすぐ、次の進路に向かって進むことに驚いた人も多いのではないでしょうか。行きたい大学が周りの人とちょっと違う……。そんな私が、公立高校での進路指導について感じることをお伝えします。(高校生記者・皐緂翠=1年)
コロナ禍で留学を断念
私は、海外の大学へ進学することを目標としている公立高校1年生です。小学4年生の頃に海外の教育事情に興味を持ち、海外進学を志しました。元々高校へ入学するタイミングに合わせ、海外の高校へ進学する予定でした。しかし進学直前時にコロナが流行。まだ不安定な状況下だったため、海外への進学は取りやめざるを得ませんでした。
通っている高校は、県内で1番の進学校です。留学に行けなくても日本の良い大学へ通えるよう、選択肢を増やしておきたいと思い、選びました。
共通テスト受ける前提で進む
毎年全員が大学へ進学しているため、普段から「大学入学共通テスト」を意識した授業が行われます。私のように海外進学を目指す人はごくわずか。そのような授業を受けることに関しては、仕方がないのかなと感じています。
そんな私にも、一つだけ我慢ならないことがあるのです。それは、先生方が「この高校では生徒全員が共通テストを受ける」という前提でお話をされることです。
私はそのたびに「私は違う方法で大学に行きたいのになあ」と、なんとも言えない複雑な気持ちになります。私の希望と違うから嫌というわけではなく、一人一人違う人生のはずなのに、一まとまりにして捉えられることに嫌悪感を抱いてしまいます。
志望校に海外大と書きづらくて
高校では、先日、文理選択希望調査書が配布されました。そこには志望校記入が必須と記されていたのですが、私の目指す海外の大学には、学部という概念が存在しません。そのため、この記入欄にどう書けばいいのか、戸惑ってしまいました。
側から見ると、本当にささいなことかもしれません。しかし私にとっては、図らずも高校側の考え方が反映されているようで、ものすごく窮屈に感じる場面でした。周りの目を気にし、一度は日本の大学を記入しようかと考えましたが、結局提出日になっても気が乗らず、志望校の欄には何も書かずに提出してしまいました。
「私は私」堂々としたい
この出来事を友達に話すと、「周りからどう見られようが、関係ないじゃん。〇〇さんの人生は〇〇さんだけのものなんだから」
うそのようですが、その言葉で今までずっとモヤモヤしていた気持ちが、スッと消えていきました。
「一人一人皆違う。私は私なんだ」。そう考えると、少し気持ちが楽になりました。何事も、気持ちの持ちようなのかもしれません。
これからも高校生活を送る中で、高校側にモヤモヤを感じる場面は何度も訪れると思います。しかし、人と違うことばかりを気にして、自分の行きたい大学を諦めるという選択肢は決して選びたくありません。この先、志望校を書く機会があれば、次こそ堂々と本当に行きたい大学を書こうと思います。