友達同士などで話しているときに場を盛り上げようと「いじったり、いじられたり」した経験、ありますよね。相手を傷つけてしまう可能性もはらんでいます。一線を越えれば「いじめ」になっている危険性も。そんな「いじり」について、どう考えている? 高校生記者たちの意見を聞いてみました。

目次

1、「なし」派の意見

2、「あり」派の意見

3、注意すべきポイントは

1、「なし」派の意見

まずは「なし」派の意見を紹介。いじられた側が傷ついたり、不快に感じたりする可能性があるなら、あえて「いじり」をする必要はないし、避けるべきという意見も上がっていました。

第三者から見ても気持ちのいいものではない……(イラスト・ひなたさん)

いじりといじめ、境界は曖昧だ

いじりはなしだと思います。私はいじりがひどくて制服にペンキを塗られたり、電車で帰るときにわたしだけ違う車両に乗らされたりしました。見た目をけなしてきたこともありました。

いじめといじりの境目が曖昧になり、嫌な思いをする人が多くなると思います。芸人や芸能人の方々はお金をもらってやっていることです。また、海外では他人の容姿などのいじりは面白いとされていません。いじりをなくすべきだと思います。(クリストファー=3年)

いじられている人が拒否しにくい

私は断然なし派! 友人にも「クラスでいじられていてつらい」と言っている子がいますし、仮に本人たちが良くても聞いている第三者の自分がハラハラします。本人たちは楽しそうでも、周りにはいじめのように映ることもあります。

いじりは、第三者から見てもそう気持ちのいいものではないと思います。テレビでも誰かをけなしてとる笑いはナンセンス! 誰も傷つかないいじりならセーフだと思います。(とまとおさかな=2年)

当事者じゃなくても不快に感じることも

私はなしだと思います。やられた相手、または見た相手を不快にさせてしまうかもしれないからです。

お笑い芸人などはお互いがわかり合った上でやっているけど、中にはそれを見て嫌だと思っている人がいるかもしれない。友人への「いじり」のつもりでも、相手がいじめと認識することもあり得ます。そのため、私はなしだと思います。(すあ=2年)

2、「あり」派の意見

次に「いじりはあり」という意見。「会話を楽しんだり、仲間同士で盛り上がったりする上で『絶対にNG』と言い切る必要はないのでは」という考え方が多いようです。

いじりで会話が盛り上がる側面もある(写真はイメージ)

いじりと受け取れる範囲ならOK

私は「相手を不快な気持ちにさせないいじり」ならあり。いじりにも程度があります。親しい仲で、それがちゃんと相手に「いじり」とわかるような内容であれば、相手も不快な気持ちにならず大丈夫だと思います。

しかし、自分はいじったつもりで言った一言も、相手に不快な気持ちにさせてしまったら、それはいじりの限度を超えていること。あくまでもいじりは親しい仲で、かつ誤解を生まないような言い方をしないといけないと考えます。(ながたにえん。=2年)

相手も含めて楽しめるならアリ

いじりはありだと思います。確かに、いじりによって傷ついたり、いじり自体を不快だと思う人もいたりするかもしれません。ただそれは「悪意のあるいじり」や「相手を傷つける言葉を使ってしまう」など配慮の足りなさから発生すると思っています。

いじりが全くないと会話が楽しくなくなってしまう。気が知れている仲のいい人に対し、それでも「十分相手を配慮して適度にする」ならやってもいいと考えます。(神崎リン=3年)

前向きにとらえる、受け手も寛容に

私は基本的に、いじりはありだと思っています。私は、生徒会活動などをやっていたので、選挙演説やスピーチなどの話の内容、話し方について先輩や後輩からそれぞれいじられたことがありますが、不快に思ったことはありません。むしろ、「そのくらい印象に残ったのだなぁ」と前向きに捉えていました。

いじる側の相手への意識はもちろん必要ですが、受け手も多少は寛容な心を持つ必要があるのではないでしょうか。(まじめがね。=3年)

いじり合いは「仲良しなんだな」

いじりはあってもいいと思います。私はいじる方でもいじられる方でもないので断言はできないのですが、いじりあいの光景を見ると「仲良しなんだな」ということがわかりやすいです。

ただ、ほとんど罵倒の言葉であるいじりや語調が強いいじりは「いじり」なのか「いじめ」なのかがわからないので、何とも言えないです。(百瀬=2年)

3、注意すべきポイントは

具体的にどんな点に気をつけるべきか、「いじり」がネガティブなものにならないためのポイントも挙げられました。いずれも「外見などの人の個性をおとしめるようなやり方は避けるべき」という意見は共通しているようです。

外見などで相手をおとしめるいじりはやめよう

外見についてのいじりは避けるべき

バラエティー番組での「いじり」と友人との会話内での「いじり」は、少し違いがあると思う。お笑い芸人さんで、自分の外見を「いじって」もらうことで笑いをとっている様子をよく見る。けれど、友人の外見をいじることは、相手を傷つけることになるかもしれない。

だから、外見を「いじる」ことはよくないと思う。常識の範囲をよく考えた上で、場の雰囲気を明るくするような「いじり」なら「あり」だと思う。(りこ=3年)

人の個性をおとしめるのはNG

限度があり、相手が嫌がっていないいじりなら「あり」です。言い間違いをからかいながら訂正したりする程度なら私もやっています。

けれど、容姿や性格をばかにしたり、言われて傷つけるようないじり方はご法度。マナー違反だと思います。芸能界でも、視聴者がやりすぎと捉えるようなものはやめるべきです。(カモミール=2年)