毎日のように部活があってなかなか勉強できないという人もいますよね。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する柳田有里佳さん(文科三類2年、東京都立八王子東高校出身)から高校生への、「勉強と部活の両立方法」のアドバイスを紹介します。

高校生の皆さんの中には部活をやっている人も多いのではないでしょうか。

部活が忙しくてまとまった時間が取れないと、「このままの勉強ペースで大学受験に間に合うのだろうか」「部活を辞めた方が良いのではないか」と考えてしまう時もありますよね。

勉強と部活との両立で悩んでいる人に、高校時代は吹奏楽部で毎日活動をしていた私から、両立へのアドバイスをお話しさせていただきます。

私が考える、勉強と部活との両立へのポイントは

①少しでもいいので毎日勉強する

②すきま時間の活用法

の2点です。

少しの時間でも毎日勉強する習慣を

まず「①少しでもいいので毎日勉強する」について書いていきます。

勉強する上で大切なのは学習内容の定着です。たくさん勉強してもその内容を忘れてしまって身についていなかったら意味がありません。

忘れてしまうことを防ぐには、毎日勉強することが効果的です。

例えば週に1日だけ7時間勉強するより1時間ずつ週7日勉強した方が、繰り返し学習することで頭に内容が残りやすくなります。

内容は、授業の予習や復習から始めてみましょう。忙しい時は1日15分とかでも良いです。

毎日勉強することで自分が理解できていないところに毎日気づくことができるので、

それを次の日に学校で質問することもでき、学校を有効活用することもできるでしょう。

また、部活を引退した後の受験生活に向けて勉強する習慣を作ることが重要です。

受験前には当たり前ですが毎日勉強します。その時に毎日勉強する習慣がついていないと意外と苦労します。

勉強を毎日するというのは意外と難しいものです。

部活をやっているうちからその習慣をつけておけば、受験生になっても勉強日数を変えず時間を増やすだけなので苦労することなく受験勉強を始めることができると思います。

睡眠時間は絶対に削らないで

最後に1点注意事項をお伝えします。

それは「絶対に睡眠時間を削らない」ことです。

人間は寝ている間に記憶を整理するので睡眠は学習内容の定着に重要な役割を担っています。

また、睡眠不足だと次の日眠くなって授業中や家での勉強時間に寝てしまい、結果的に勉強時間が減ってしまうかもしれませんよね。

なので、自分にあった睡眠時間を確保して健康的な生活を送りましょう。

すきま時間を暗記に活用

次に「②すきま時間の活用法」についてお話しさせていただきます。

すきま時間とは、通学時間や授業の前後、何かの待ち時間など、空いているけど机の前に座って勉強できるほどではないちょっとした時間のことです。

そんなすきま時間で、机の前でシャーペンを持たなくてもできる勉強は単純な暗記とその日の授業の復習です。

まず、単純な暗記についてです。

英単語や英文法、古文単語、漢文の句形、化学式などあまり頭を使わなくてもできる基礎事項の暗記をすきま時間にやりましょう。

各教科の基礎を身につけることはとても大事ですが、机の前に座って勉強できる貴重な時間を、単語帳などを見るだけのことに費やすのはもったいないですよね。

すきま時間に基礎を身につけておけば、まとまった時間が取れた時に発展的な内容の学習や問題演習にスムーズに進むことができ、効率的な時間の使い方ができます。

また、暗記事項は1回覚えてもその量の8割ほどは忘れてしまうので、①でも言ったように何度も繰り返しやりましょう。

ここで私の高校時代の失敗談を一つお伝えします。

私は高校1年生の時、バスや電車のなかで数学の問題集を解いていました。

普通に問題集とノートを膝の上に広げてシャーペンで解いていたのですが、車両の揺れで文字はぐちゃぐちゃでした。

また、乗車時間も長くなかったのであまり進まず非効率的でもありました。

あまりやる人はいないと思いますが、通学時間にシャーペンを持つ勉強をするのはお勧めしません。

何も見ないで授業内容を思い出すと理解が進む

2つ目に、授業の復習についてです。

授業の復習といっても問題演習をするわけではありません。その日の授業で習ったことを頭の中で思い出してみる、というものです。

新しく習ったことは何か、その要点は何か、自分はどこをよく理解できてどこが理解できなかったのかといった点を何も見ずに思い出してみましょう。

「何も見ずに」というのがポイントです。

教科書やシャーペンなどを必要とせず、手を動かすこともないので電車の中でもできますし、自転車通学などで手が離せず、1つ目に述べた「単純な暗記」ができない人でも手軽に取り組むことができると思います。

この復習を行うことで各教科の要点や自分が理解できていないところが明確になり、家に帰ってからの勉強が格段にスムーズに進むようになります。

また、授業で習ったことをそのままにせず思い出すことで、授業内容の定着も図れます。ぜひやって見てください!

以上が私の考える、勉強と部活との両立方法です。最後まで読んでくださりありがとうございました。

やりたい活動をできる限りたくさんやって充実した高校生活を送ってください。陰ながら応援しています!

皆さんに追い風が吹きますように。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。