部活は勉強のさまたげになると思いますか? やり方によっては部活へのやる気を勉強にプラスに変えられるかも。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する岩多翔大さん(理科三類2年、金沢大学附属高校出身)から高校生への、「勉強と部活の両立方法」についてのアドバイスを紹介します。

部活終了から勉強開始までにかかる時間は

部活で勉強時間が削られる、部活で疲れて勉強できない、といった悩みを持っていませんか?

僕自身も高校3年間野球部に所属しており、勉強と部活の両立に頭を悩ませてきました。

その時活用していた両立法を伝授しようと思います。ぜひ参考にしてみてください。

その両立法とは、「部活後早く帰る」ということです。

わかります。そんなの当然だろと思いましたね。そう思った方も少し考えてみてください。

部活終了時刻、帰宅し勉強に移行する時刻、その間が妙に長いなんてことはありませんか?

部活のように名前がついたものに割く時間というのは意識がしやすいですが、ただ呆けているような時間は無意識に忘れてしまうものです。

スイッチをオンにし続ける

ここで問題になるのは、割く時間だけではありません。わかりやすく

A:部活をしている自分 B:勉強をしている自分 C:休んでいる自分

の3つに分けてみましょう。だらっとしてしまう人の特徴は、A→C→Bという段階を踏んでしまうことです。

このC→Bというのが厄介で、勉強と部活の両立を難しくしています。一度オフにしたスイッチをもう一度オンにするのは大変ですからね。

切り替えに長い時間をかけてしまったり、眠いからといって寝てしまったりします。

それに対し、部活後早く帰り勉強に移行できる人は、A→Bと直接自分を変化させています。

やってみて気づきましたが、このように行動することで、部活での集中力を直接勉強に活かすことができます。

スイッチをオンにし続けるイメージですね。

部活のモチベーションを勉強に活かす

こうなると、勉強と部活の両立をポジティブな意味でとらえられる可能性が見えてきます。

部活が勉強の邪魔にならないようにする、という考えだけでは、部活をしていない人と比べ、どうしても不利になってしまいます。

代わりに、部活で上げたモチベーションをそのまま勉強に活かす、という考えのもと行動すれば、

本当の意味で勉強と部活を両立できるのではないでしょうか。

「早く帰る」ということで僕が言いたいのは「スイッチをオンにし続ける」ということです。

後片付けがあるから早く帰れないという人は、後片付けの時間も集中して取り組んでみてください(先輩からの好感度も上がるかも)。

帰り道が長くて帰宅時までやる気を保てないよという人は、帰りの交通機関の中で勉強か、あるいは部活の振り返りをしてみてください。

慣れてしまうと、A→C→BよりもむしろA→B→Cと行動する方が楽であることを実感できると思います。

ですが、どうしても負担が大きいという人は、自分が今Cの状態にあることを意識することから始めてみてください。

それだけでも無意識にCの時間を短くするよう動いてしまうはずです。

楽しいこと、好きなことを勉強のやる気に

この考え方は部活だけでなく様々な活動に応用することができます。

今自分が楽しく集中できていると感じたら、その熱を覚ます前に少しでも机に向かってみてください。

慣れてくれば、Aに好きな科目の勉強、Bに苦手科目の勉強、を当てはめることもできるかもしれません(これは言い過ぎかな)。

今回の話が、高校生の皆さんが勉強、部活、学校行事等の両立を考える上で、少しでも参考になれば嬉しいです。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。