全国高校野球選手権大会は、前身の全国中等学校優勝野球大会から数えて今年で100年。記念すべき第97回大会の都道府県大会が始まった。各地区の春季大会の戦いぶりを基に有力校を探った。
(手束仁)

 北海道・東北 

北海道は東海大四などリード

 南北海道は、今春の選抜準優勝の東海大四、春季大会を制した北海に駒大苫小牧を加えた3強を北照、函館工などが追いかける。北北海道は白樺学園が有力。

 青森は青森山田と八戸学院光星を弘前学院聖愛が追う。宮城は仙台育英が抜けた存在。岩手は花巻東、盛岡大付、一関学院が有力。福島は聖光学院が強い。秋田は秋田南、秋田、秋田商が三つどもえ。山形は酒田南、鶴岡東などを中心に混戦模様だ。

 関東 

層が厚い東海大相模

 群馬は健大高崎と前橋育英、栃木は作新学院、国学院栃木、佐野日大の争い。茨城は常総学院、山梨は東海大甲府が抜けている。埼玉は川越東が台頭。江口奨理(3年)が安定した投球を見せる浦和学院に挑む。

 千葉は30校ほどが横一線だが、木更津総合と専大松戸がわずかにリード。参加校が最も多い神奈川は、層の厚い東海大相模を横浜、慶応、桐光学園などが追う。

 東東京は二松学舎大付と関東一の争いに帝京が加わる。西東京は、注目の1年生強打者、清宮幸太郎を擁する早稲田実に日大三、佼成学園、日野が絡み混戦。

 東海・北信越 

選抜優勝の敦賀気比は安定

 静岡は、東海大会を制した静岡が強く、日大三島と一騎打ちの構図。愛知は中京大中京、愛工大名電、東邦に、好左腕・内田大貴(3年)を擁する誉がどこまで絡むか。三重はいなべ総合と津商、岐阜は、高橋純平(3年)に注目が集まる県岐阜商、大垣日大、中京が競う。

 福井は、今春の選抜大会を制した敦賀気比が安定。石川は遊学館、星稜、金沢の3強の争い。富山は富山第一と富山商が有力。長野は北信越大会で敦賀気比を倒した佐久長聖を、松本第一と松商学園が追う。新潟は中越と日本文理がリード。

 近畿 

大阪桐蔭倒した彦根東に注目

 大阪桐蔭が強い大阪は、履正社などがどこまで食い下がれるか。滋賀は、近畿大会で大阪桐蔭を下した彦根東、近江、北大津の争い。京都は龍谷大平安が中心。兵庫は報徳学園、県大会を制した神戸国際大付の争い。和歌山は智弁和歌山が強いが、箕島、日高中津にも注目。奈良は智弁学園が安定しているが、選抜出場の奈良大付と高田商も有力。

 中国・四国 

各県とも混戦模様

 中国大会の決勝は興譲館と創志学園の岡山対決となったが、倉敷商も強い。広島は広陵と広島新庄の争い。山口は宇部商、宇部鴻城、下関国際などで混戦。鳥取は鳥取商と米子北が上位。島根は開星を益田東などが追う。

 愛媛は今治西、新田、松山聖陵が争う。香川は英明、高知は明徳義塾が抜ける。徳島は混戦で徳島商、鳴門、城南、川島、生光学園が有力候補。

 九州・沖縄 

九州制した龍谷に自信

 福岡は今年も混戦。飯塚、福岡工大城東、九州国際大付に柳川と自由ケ丘がどこまで食い下がるか。佐賀は、九州大会を制し自信を得た龍谷が佐賀商と競う。長崎は県大会で優勝した佐世保実が有力。熊本は県大会を制した熊本国府と選抜出場の九州学院が充実。大分は鶴崎工、大分、明豊の争い。宮崎は混戦だが、日南学園が一歩リード。鹿児島は樟南と神村学園の争いに鹿児島実が加われるか。沖縄は興南の2年生左腕・比屋根雅也に注目。糸満との争い。