俳優や歌手として才能を発揮する大原櫻子さんは、大学の動物保護サークルを舞台にした映画「犬部!」に出演。7月に映画とコラボした保護犬・保護猫の譲渡会にも参加しました。大原さんに、動物たちへの思いと高校生の読者に向けてのエールを聞きました。(渡辺あみ)
かわいいだけでペットを飼わないで
―映画では、動物保護サークル・犬部のメンバーで、のちに研究者となる役を演じていますね。今回演じるなかで、動物保護に対する考え方に変化はありましたか?
動物は大好きなんですけど、ペットを飼っていない私は、動物保護の活動をあまり身近に考えられていない部分がありました。
こんなに私たち人間に幸せをくれるのに、今もどこかで誰かが手放していると思うと……。「かわいい」だけじゃなく、「一生一緒にいる」という覚悟が必要だと映画を通して改めて感じました。
―捨てられた犬や猫の譲渡会に参加されました。どんな感想を持ちましたか?
今飼おうという気持ちがなくても、「かわいいから見ていこう」というきっかけで参加してもいいと思うんです。犬や猫をお渡しするうえで、お世話できる環境なのかというやりとりがあるので、安心できる譲渡会です。こういう機会が増えて、一匹でも多く、幸せな家族になってほしいなと思っています。
水泳部で忍耐や精神力がついた
―高校時代は強豪の水泳部にいました。当時の経験が今の大原さんにどのような影響を与えたと思いますか?
日々の練習メニューはとても厳しいものでした。正直、「今日も行かなければいけないのか…」と悩むことが多かったです。でも、続けることによって忍耐力や精神力が身についたと思います。
どのお仕事にも共通することだとは思うのですが、お仕事をしていて、「よっしゃ、頑張ろう!」とスイッチを入れなければならない場面があるんです。そのスイッチの入れ方は、部活動を通して学んだことだと感じています。
部活は人間関係の幅が広がる
―高校時代にやっておいた方が良いことはどんなことだと思いますか?
部活動だと思います。
今回の映画では、「犬部」という大学での部活動の場が描かれているのですが、私は後輩の役でした。部活動の場は先輩と後輩の触れ合いがある場所。やっぱりコミュニケーションはすごく大切ですし、人間関係の幅が広がります。
例えば大会のある部活動で同じ目標に向かう仲間は、クラスの友達との関係とはまた違ったものだと思うんです。同年代で同じ趣味を持って、好きなことを極めていく仲間との出会いはとても大事だなと大人になった今だからこそ感じます。
自分の好奇心を信じて
―「卒業後の進路に悩んでいる」「目標が見つけられない」という高校生が多いようです。メッセージやアドバイスをお願いします。
振り返ってみると、高校生のときが一番夢に迷う時期だと思います。
私にはお芝居をやりたいという夢はありましたが、オーディションを受けても受からない日々のなかで、「この夢でいいのだろうか」と迷うことがありました。
友達の話を聞いていても、「どこの大学に進学するかまだ決まらない」と悩んでいることが多かったですね。みんな悩むことですし、道を切り開いていく上で夢を見つけるということは大事なことだと思います。
だから、自分の好奇心を信じて失敗を恐れずに挑戦すること。
例えば、「難しそうだけど経済学部をちょっと見てみよう」とか、「映画が好きだから映画についての大学を見てみよう」とか。まずは、自分の中にある小さな好きを見つけて、どんどん広げていってみてほしいです。
- 大原櫻子 おおはら・さくらこ 1996年1月10日生まれ。東京都出身。2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」のオーディションで約5000人の中からヒロインに選ばれ、俳優&歌手デビューを果たす。2014年には、第56回日本レコード大賞・新人賞を受賞。以降も精力的に俳優活動と音楽活動を並行して行っている。
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映画「犬部!」
獣医学部の大学生・花井颯太(林遣都)は子どもの頃から大の犬好き。目の前の命を救いたいという一途な想いで保護活動を続けていた。ある日颯太は動物保護活動をサークルにすることを思いつき、「犬部」を設立。同級生・柴崎涼介(中川大志)らが仲間となった。卒業後、颯太は動物病院へ、柴崎は動物愛護センターへ……。獣医師となった後も保護活動を続けていた颯太が逮捕されたという報道をうけ、犬部メンバーたちが再集結するが、そこに柴崎だけがいなかった……。全国公開中、配給:KADOKAWA © 2021 『犬部!』製作委員会