世界の高校生が数学の難問を解いて競う第62回国際数学オリンピック(IMO2021)に日本代表の高校生6人が7月18日から24日までオンラインで参加し、金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル3個を獲得した。文部科学省と数学オリンピック財団が7月26日、発表した。

国際数学オリンピックは、世界各地から数学の才能のある若者を見つけ、チャンスを与えるのが狙い。20歳未満で大学教育を受けていないことが参加要件だ。日本は現役高校生が参加しているが、海外では高校を卒業して大学入学前の生徒が参加する場合も少なくない。

今大会はロシアで開かれる予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行が収束しないため、オンラインで実施され、107カ国・地域から619人が参加した。日本代表は国内大会である日本数学オリンピック(JMO)の成績優秀者から6人が選抜された。

開成高校の神尾君が金メダル

日本代表の成績は次の通り。

  • 神尾悠陽(かみお・ゆうひ、開成高校3年) 金メダル
  • 沖祐也(おき・ゆうや、灘高校2年) 銀メダル
  • 床呂光太(ところ・こうた、筑波大学附属駒場高校3年) 銀メダル
  • 井本匡(いもと・たすく、麻布高校2年) 銅メダル
  • 小林晃一良(こばやし・こういちろう、灘高校3年) 銅メダル
  • 吉田智紀(よしだ・ともき、東大寺学園高校3年) 銅メダル
第62回国際数学オリンピック日本代表の6人。左から床呂君、井本君、沖君、神尾君、小林君、吉田君(数学オリンピック財団提供)

出場者は合計6問の筆記試験に、1日4時間半で3問ずつ2日間にわたり取り組んだ。金メダルは例年、合計得点の上位約8%、銀メダルは続く約17%、銅メダルは続く約25%に与えられる。

国別1位は中国、2位ロシア、日本は25位

金メダルの神尾君は48位。参加者の合計得点から国別順位を出すと、日本は25位。10位以内に入った国・地域は、1位中国、2位ロシア、3位韓国、4位アメリカ、5位カナダ、6位ウクライナ、7位イスラエル、イタリア、9位台湾、イギリスだった。

2023年は日本で開催

2022年の大会はノルウェーで、23年は日本で開催される予定だ。