部活動は、楽しいこともあれば、時には嫌な思いをすることも。部活動の中で感じた「モヤッと」を、高校生記者たちに聞いてみました。

目次

1、先輩・後輩関係

2、同級生

3、顧問の先生

4、金銭関係

1、先輩・後輩にモヤモヤ

学年を超えて活動をする部活動では、上下関係や礼儀、お互いへの思いやりなどを学ぶ機会です。ただ、上下関係からくるストレスもたまりがちです。

相手への「もっとこうしてほしい」が「モヤッと」の原因に(イラスト・ひなたさん)

後輩のあいさつ・返事

最近部活でもやっとしたことは「あいさつ・返事」です。

私は2年生です。4月から1年生が入ってきたのですが、あいさつと返事ができていません。指示を出しても返事がないのが気になります。今日も注意をしましたが、あまりできていません。

返事は、自分が理解したことを相手に示すことだと思っています。返事がないと、指示を出した人も伝わっているか不安になると思います。自分が理解したことを伝えるのはすごく大事なことだと思うので、後輩にも徹底してもらいたいです。(のん=2年)

後輩の意見を取り入れてくれない先輩

私の部活は音楽系でしたが、大会に向けてバリバリ練習する部ではありませんでした。それでも部活が好きだったので「しっかり練習したい」と思い、中学の部長、高校の副部長、部長を務めました。

「もやっ」としたのは、部長や副部長をしているときに、自分の出す案を先輩たちにまともに取り合ってもらえなかったことです。だから自分が高校で部長になったときには、後輩との接し方に特に気を配りました。(マリーナ=3年)

事情を知らないOB・OGの説教

私は放送系の部活に所属しています。文化祭の日、引退した先輩たちが部室に来て、放送室に誰もいなかったことで部長を呼び出し、5人がかりで注意したそうです。

コロナの影響で禁止されていることに対して一方的な注意をされたため、とても理不尽に感じました。(すあ=2年)

2、同学年にモヤモヤ

同学年の部員は一緒に成長する仲間……のはずですが、我慢を強いられたり、上下関係を押し付けられたりして「良き部活仲間」の関係を築けない、なんて事態に陥ってしまうことも。

近い存在だからこそ、不満もたまりやすい!?

部内で格付けがあった

私は中学の頃、吹奏楽部に所属していました。私と同じ学年の部員の中では、「カースト」がありました。

一軍は、先輩と仲が良い人や、明るい性格で、楽器の演奏がうまい人です。二軍は、一軍の友達で一軍同様楽器の演奏がうまい人。三軍は、楽器の演奏が下手な人や人見知りの人です。私と友達は三軍でした。

三軍は、一軍や二軍に逆らったり意見に反対したりすると、無視されたり陰口を言われたりします。同学年同士なのに、三軍メンバーは「一軍・二軍のメンバーに廊下ですれ違ったりした場合には、必ずあいさつ。敬語で話さないといけない」という謎ルールもありました。

このようなことが2年生の後半ぐらいから続き、すごく肩身が狭く、息苦しかったです。一軍二軍など関係なしに仲の良い部活を作っていきたかったです。(Rinka=2年)

遅れてくる人に合わせるのって、普通?

部活開始時にとる点呼を、いつもショートホームルームが長引くクラスに合わせて始めていたのですが、それはどうかと思いました。部長に言ったら「ホームルームが長引いて遅れるのはしょうがないし、待ってあげなきゃかわいそう」と言われました。

確かにホームルームが長引いて遅れることは災難だと思いますが、待ってほかの人の練習時間が奪われるようなことはしたくありません。(めておーら=2年)

特定の部員ばかりが活躍

私は新聞部で活動をしているのですが、新聞のネタを巡って仲間とバトルになったことがあります。

1カ月に3回は速報新聞を出すため、私たち部員は常にネタを探さなければなりませんでした。

しかし、決まった部員のネタばかり通ってしまい、他の部員のやる気がそがれていきました。今は週ごとにネタ出しをするようにしたため、モヤモヤは減少しました。(甘党信者ゆーの=2年)

3、顧問の先生にモヤモヤ

顧問の先生が支配的すぎたり、逆に無責任すぎたり……そんな姿勢が、部員のモチベーションを下げてしまっているケースも。

顧問の態度は部員に大きな影響力を持つ

新顧問「先生は部活は任意」

私が部長をやっていたときのこと。私たちを1年生の頃から指導してくださっていた先生が違う学校に行ってしまい、部活全体がだらだらした雰囲気でした。

そのとき新しく顧問になった先生の「先生たちは、部活は任意なので」という、まるで「何も先生に頼るな」と言わんばかりの一言に私はモヤっとしました。それからは、副部長と協力してなるべく先生に頼らず部活を運営するようにしました。(ピーナッカ隊長=3年)

体調不良で休みづらくさせる

私たちバレーボール部は練習の始めにトレーニングを入念に行います。大事ですが、とても体力を消耗します。

ある日体調不良者が出ました。その場合は冷房のある部屋で休めるのですが、顧問が「一人体調不良者が出たからといって、皆が皆休み始めたらだめだ」と、休むハードルを上げる発言をしたのです。

「本当に危険な状態なのに我慢してしまう部員が出て万が一の事が起きたらどうするんだ」とモヤッとしました。(crazysalt =3年)

生徒の自主性を尊重してくれない

私が部活動で体験したのは、顧問の先生が1から10まで全て仕切ってしまうことです。私は、部活は基本的に生徒が自主的に活動するものだと思っています。練習メニューや行きたい大会、目標などを自分たちで決めるからこそ、みんなで団結して取り組めると思います。

顧問の先生が部活に協力的なのはとてもうれしいことですが、自分たちでまとめたいと主張しても先生が主導権を握る部活は、いかがなものかと思います。(まじめがね。=3年)

4、金銭管理のモヤモヤ

部活動を行う上で部費や活動費、賞金など、お金の管理が必要なこともあります。不透明だったり負担が大きすぎたりすると、徐々に不満が積み重なっていきますよね。

大きな問題につながりかねない「金銭問題」

勝ち取った賞金の行方

私は部活の経費の管理に疑問を持っています。私たちの部は大会で優勝し、それなりの金額の賞金を手にしました。しかし、顧問がそれを使わせてくれません。顧問は資産になるもの(例えば道具など)になら使ってもいいと言ってきましたが、実際にそれらの購入を提案したところ、いろいろな理由をつけられ、ことごとく却下されました。

しかも、その賞金は学校側に知られていないため、生徒会の監査の対象にならず賞金が今も存在するのかすら不明です。かと言って、学校側に報告すると間違いなく来年度から部費が減らされてしまうため、どうすることもできないのが悩みです。(ソワレ=3年)

材料費が全額自己負担

私は料理部に入っているのですが、学校側が材料代を1円も出してくれないことに「もやっ」としています。部員が割り勘で活動していますが、部員が少なく毎週活動があるので、1年通して計算するとかなりの金額になります。

食べているのは自分たちなので「全額出してほしい」と言うのはおこがましいですが、「少し補助してくれたらいいのになぁ」と思います。(manami=3年)