服装や髪型などが制限される校則に不満を感じても、校則を変えるために動くことにはハードルを感じる生徒が多いようです。校則に不満を持つ3人の高校生記者が、厳しい校則を変える方法について話し合いました。前回の記事はこちらから。

座談会に参加してくれた高校生記者

Aさん(2年)

公立の進学校に通う。女子だけ制服の指定が多いこと、地毛の色を学校が認めてくれないことに不満を感じている。

Bさん(2年)

私立の進学校に通う。髪が肩についたら結ばなければいけない校則に不満を感じている。

Cさん(3年)

公立の進学校に通う。エアコンの使用が制限されていること、生徒会に校則を変える権限がないことを不満に感じている。

生徒会では何も変えられない?

―前回の座談会では、みなさんが感じている校則の不満を話してもらいました。「女子だけ靴下指定」「肩についたら結ぶ」「地毛なのに茶色いと先生に言わないといけない」…など上がりました。それも皆さん、納得する理由がない校則と感じているようですね。では、生徒自身が校則を変えたり、議論したりするような仕組みはありますか?

C 私は一応生徒会に入っているのですが、仕事がほぼ雑用って感じで……。「なんのための生徒会なんだろう」って思います。

A 確かに生徒会って学校内の仕事をするのではなくて、高校代表として校外の活動をするというイメージがあります。意見箱とかって活用しているのですかね?

C この前「こういう意見が出ました!」って生徒会のLINEグループで回ってきたんですけど、なんか自然消滅しました(笑)

B 「生徒会のある意味とは?」って思っちゃいますね。

A 「話し合います」から「一向に話が進んでいないような」っていうことがよくあります。

B 分かります!

C 結局生徒会は、文化祭や体育祭の準備をする機関って感じです。

C 学校のアンケートでも毎回校則で納得いかないことを書くんですけど、その後何もないんですよね……。

―皆さんの学校の生徒会は意見が通らないんですね。生徒会を通す以外で、校則を変えるためのいいアイデアはあるでしょうか?

B 気軽に意見を言える機会や場所がもっとあったら良いんですけど……。

C 本来生徒会がそういう役割にならなきゃいけないですよね。

A そうなんですけど、生徒会ばかりが背負いすぎるのもね……。私の学校ではiPadが生徒全員に配られています。そういうのを活用して誰でも意見をいえる学校作りってできませんかね? あとは署名運動とか。

B それ良い案ですね!

C 中学校の頃は教育委員会に訴えたりしていました。でもあまり効果なかったです……。

なので、いじめ防止目的で作られた、匿名で相談できるアプリがあったので使ってみたことはあります。

署名活動も一つの手

意見が通らないからそのままでいる…負のループ

―やはり校則を変えるのは大変なことですね。

A 先生たちは「学業優先」って言うじゃないですか、でも生徒にとっては衣服の居心地の良さで勉強の集中力も上がると思うんです。そう考えると見直すべきだと思うんですが、「意見を言っても伝わらない」「だから意見を言うことが面倒くさくなる」「声を上げずにそのままでいる」……。嫌なループですね。

C 「生徒の意見の中からいいと思うものを生徒会で話し合って先生に提案する」「先生はそれをちゃんと検討して形にする」っていうのが理想かなと私は思います。

A 教師とも連携することが大事ですよね。

「校則を変える」始めの一歩を踏み出したい

―先生とどう連携するのが良いでしょうか。

B ……現実だとうまくいかないですよね。

学校内の問題、どう解決する?

C 私も勉強する環境を良くするのは大事だと思いますが、先生はなかなか動いてくれないですよね。

B 過ごしやすい学校にするためにも、先生にも動いてもらえないと困ります。熱心に訴えれば、先生も動いてくれるのかなと思います。

A 熱心さも大切ですが、論理的合理的に攻めることはどうですか。プレゼン的な。

C さっき出た署名活動とかはきっと効果ありますよね! でもみんな諦めちゃうからなかなか集まらなさなそうです……。

B 集めるのも大変ですし。

A 変わるのにエネルギーを使うより、変わらずに耐える方がよかったりするんですよね。日本人の心理というか。

C 周りに合わせたり、昔からこうしてきたから…っていう形にこだわったり、そういうところが日本人って感じですよね。変えようとして、最初の1歩目を踏み出すのが大変です。

B 黙って耐えて、周りに流される事は簡単。だけど、誰かが何かを言い出さなければ、何にも変わんないですしね。