地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する飯山敦司さん(工学部3年、鹿児島県立鶴丸高校出身)から高校生への、「志望校合格の秘訣」のアドバイスを紹介します。

コロナ禍も2年目に入りますが、高校生のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。

自分は、相変わらずオンラインが主体の大学生活ではありますが、

そんな中でもオンライン会議ツール等を工夫して使うことで、それなりに楽しい生活を送れています。

さて、今回は、僕が考える「志望校合格への秘訣」を2つ書いていきたいと思います。

その2つとは、

1. 目の前のことばかりではなく、もっと先の目標を見据えて行動すること。

2. 結果だけでなく原因をしっかり分析すること。

です。どういうことでしょうか。詳しく説明していきましょう。

目の前の課題も先の目標を意識すると取り組み方が変わる

【1. 目の前のことばかりではなく、もっと先の目標を見据えて行動すること。】

例えば、目の前に数学の週末課題が渡されたとします。

この時に、とりあえず課題を埋めて提出することが目的になっていませんか?

気持ちはよく分かります。高校生時代の僕も、他にやりたいことがたくさんある時は、「とりあえず指定された問題を解いて提出日に間に合わせればいいや」とばかりに課題をただただ処理していた記憶があります。

当時を振り返って反省しているのは、「もっと先のことに意識を向けながら課題に取り組む」観点が足りなかったということです。

僕が大切だと考えているのは、【勉強に取り組む際には、もっと先の目標にも意識を向けながら取り組む】ということです。

例えば、その週末課題が、来月に行われる期末試験の試験範囲になりそうな内容だった時に、

その課題を漫然と埋めるのと、解きながら例えば「この問題は難しいけど、来月の試験でポイントになりそうなところだからしっかり押さえよう」と意識するのとでは、かなりの差が生まれます。

課題を漫然と埋めて終わらせると、ただの単純作業のようになってしまい、終わった後に「とりあえず終わったからもういいや」となり、そのまま課題を振り返るモチベーションもわかなくなりがちですが、解いている最中に「この問題は大事そうだな」「ここが弱点だから克服しないとな」など、これから先どうすればいいか考えていると、課題を提出してそれが返却された後も、スムーズに「さあ復習しよう」というモチベーションが生まれるでしょう。

このように、

【一見単純作業に見える勉強にも、先の目標(上の例では「来月の試験」でしたが、もちろん「受験本番」を見据えることが一番大事です)を見据えながら取り組むこと】が、

【【その後の勉強のモチベーションを高める】】という点で大切だと思います。

テストや模試は原因分析ができてこそ今後につながる

【2. 結果だけでなく原因をしっかり分析すること。】

あなたが受けた模試が返ってきました。その模試の個票には、模試の点数だけでなく、「あなたの得意分野・苦手分野」「志望校の判定」など詳細なデータが記されています。そのデータを見て、自分の学力の現状を分析することは、もちろんとても大切なことです。

…ただ、そこで終わりになっていませんか?

高校生の僕も、「この分野が苦手なんだな~ちゃんとやらないとな」「お、●判定だ!学力上がってきたんだな」など、

そのデータで自分の学力の現状を把握して、それで終わりになってしまうことがよくありました。

しかし、もっと大切なことがあります。

それは、【このような現状になっている原因まで分析すること】です。

例えば模試の英語の苦手分野で、「あなたは長文読解が苦手です」と指摘されていたとします。

「やはり自分は客観的に見て長文が苦手なんだな。頑張っていかないとな。」で終わるのでは、具体的な対策に結びつきません。

なぜ長文読解が苦手なのか。

まずは、テストで長文を読んでいる際、あるいは普段長文を読んでいる際に、英文がなかなか理解できず頭を抱えた時のことを思い出しましょう。

思い出せない人は、次に長文を読む際に、どこで詰まってしまうのかに意識を向けながら読んでいってください。

「構文がなかなかつかめないのか?」「そもそも単語から理解できていないのか?」

「一文一文は分かるけど、英文の情報量が多すぎて、内容を上手く整理できないのか?」

など、様々な原因が出てくると思います。

ひとたびこういう原因を突き止められたら、例えば「構文をもっと真面目に勉強しよう」「これから単語を継続的に勉強しよう」「パラグラフごとに内容を軽く整理しながら読もう」など、様々な改善案が浮かび、長文読解が上手く行かない根本的な原因への対処に繋がると思います。

このように、

【テストや模試の結果だけでなく、そういう結果になった原因までしっかり分析すること】が、【【苦手の根本的な原因への対策に繋がる】】という点で大切だと思います。

いかがでしたでしょうか。

もしみなさんの勉強に生かせそうな点があったら、ぜひ実行してみてはいかがでしょうか。

みなさんの健闘を祈ります!

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。