オープンキャンパスで志望校選びに集中するためには、小さな心配事は解消しておきたいもの。進路づくりの講師として活躍する倉部史記さんに、多くの高校生や保護者が気にする素朴な疑問に答えてもらった。
ーみんな誰と参加しているの?
一番多いのは友人ですが、近年、大学関係者から保護者、特に母親と参加する受験生が増えているという声を多く聞きます。せっかく保護者と参加するのなら、高校生からは直接聞きにくい質問を保護者からしてもらうのも◎。たとえば「学費」の話や、「中退率」などといった質問です。
ーひとり何校ぐらい参加している?
ある調査では、各学年、1年間で約3.9校のオープンキャンパスに参加しています。みなさんしっかり比較検討していますね。
ー制服? 私服? どんな服装で行けばいいの?
制服でも私服でもどちらでもOKですが、友だちと電車に乗って出かける時のように、自分が恥ずかしくない格好が良いと思います。
大学の教職員や学生と話す機会もありますし、他の来場者(高校生や保護者)もいますのでそうした方と話す上で失礼がない格好であれば問題ないでしょう。
保護者の服装は?
保護者も小綺麗な恰好なら良いと思います。保護者が服装をチェックされてそれが入試の評価になるといったことはありませんが、教職員や学生と話す機会もありますので、そこで恥ずかしくない服装を選ぶと良いでしょう。スーツやシャツ、ジャケットならまず問題ありませんが、もう少しカジュアルでも大丈夫だと思います。
ただし、真夏の暑い時期になりますので、熱中症対策も大事。高校生はTシャツでも大丈夫だと思いますし、飲み物を買うお金を忘れずに。
持ち物は? 帰宅してからのひと手間で差がつく
メモを取るために筆記用具は必須です。ちょっとした気づきや感じたことをメモしておいて、帰ってきてから読み返してみると良いでしょう。また、オススメなのが大学案内やパンフレットなど、当日もらった資料に直接書き込むこと。バッグに入れて大事に持ち帰る人が多いと思いますが、メモ用紙代わりにたくさん書きこんじゃいましょう。オープンキャンパスから帰ったら、「ここは自分に合っていた」「あそこは自分のキャラに合っていない」など、印象を「自分」を主語にしたメモにまとめておきましょう。自分の見聞きしたことを記録しておくことで、推薦入試で「志望理由書」を書くときの、説得力のある材料になります。
大学を訪れると、キャンパスの立地や施設のきれいさなど「目に見えるもの」に気を取られがちですが、「学びの中身」を確かめることが大切です。目的意識をもって参加するようにしましょう。
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- 倉部 史記(くらべ しき) さん
- 進路づくりの講師、高大共創コーディネーター。NPO法人NEWVERY理事。進路づくり教育の実践と支援や、高大接続事業の実践と支援に力を注いでいる。