高校での勉強で重視される英語。「勉強しているのに話せない……」など、はがゆい思いをしている高校生の声も少なくありません。今回は、学校の英語の授業に不満を持つ3人の高校生記者に集まってもらい、英語教育について感じている問題点を話し合ってもらいました。

座談会に参加してくれた高校生記者

Aさん(2年)

国公立の進学校に通う。英語は苦手。先生たちが英語を理解しきれていないように感じている。

Bさん(3年)

私立の進学校に通う。英語は得意。周りは「受験のためだけに」英語を学ぶ人が多い。実際に英語を話す機会がほしい。

Cさん(2年)

国公立の進学校に通う。英語は得意。受験のためだけではなく、楽しく英語を学びたい。

先生がカタコト英語を話すと信頼できない

―みなさんは、学校の英語の授業についてどう感じていますか?

B どうしても受験に特化しがちになってしまうということが不満です。実際に英語を使う機会も少なく、これでは「英語に苦手意識を持つ人が増えても当然なのでは……?」 と思います。

A 先生たちが英語を完全に理解できていないような気がしています……。

そのため授業も、ただ教科書に書いてあることを復唱しているような感じで、そこを変えてほしいなと思っています。

先生の英語力がないとやる気がなくなる(写真はイメージ)

C 私も受験に特化しがちなところが不満です。授業では、ただテキストを読み上げているだけで、「先生も本当に理解できているのかな……?」と思ってしまいます。

酷い先生は発音もめちゃめちゃで、カタコト英語を話している先生もいて、「正しい発音を学べないのもなぁ」って感じています。

―先生の英語力が低いと、生徒の信頼ややる気が失われてしまう、ということですね。

B はい。お二人のおっしゃる通り、先生が本当に英語を理解できているのかは怪しいですよね。

先生が全員ネイティブのような発音をする必要はないと思いますが、発音が間違っていると、先生の話を聞こうという意欲が減っちゃいます。

A 確かに授業に対する意欲が減りますね。

B 英語の先生よりも生徒の方が、英語ができるというケースも結構私の学校では多いです。

C 私の学校でも多いです。うちの学年は特に帰国子女が多いので、生徒の発音の良さに先生が驚いている、なんてことも。

A そうなんですね! 私の学校は少ないので意外です。

海外経験ある生徒の方が頼れる?

―生徒のほうが、英語が得意な学校もあるんですね。

C 帰国子女入試とかはないので、たまたまうちの学年が多かっただけっていうのはあるかもしれませんが、学校や学年によっては多いところもありますよね。

B 私の学校でも、そんな感じです。また、帰国子女の生徒に先生の解説で分からなかったところを聞くっていうのもよくあります。

C 私もよくあります! 仲のいい友人が帰国子女なので、分からないところは先生よりその友人に聞くことが多いです。

―先生を頼りなく感じているのですね。

C 頼れる先生ももちろんいますが、先生に聞くより、友人に聞いた方が確実な気がしてつい聞いちゃうんですよね~。日本で習っている言い方と、ネイティブの話す文が違うこともあるので、それを知るためにも実際に海外にいた人に聞くようにしています。

A なるほど。そうなんですね。

B そうですよね。海外経験がある先生や友人の話を聞くとなかなか面白いです(笑)。英語は、先生間の実力差が大きいなと感じました。

C それはすごく思います……!

A なるほど。ちなみに海外経験ってどんなことですか?

B 帰国子女か、大学生の間に留学に行っていた先生が多いです。

文法の勉強ばかりではつまらない!

―皆さんの英語の授業はどのような形態で行われていますか?

A コミュ英(コミュニケーション英語)と英表(英語表現)の2つに分かれています。

 私が通う学校は、2年生以降は英表がなくて、コミュ英が3つに分かれています。文法と、ALTの先生の授業と、教科書を使う授業の3つです。

 コミュ英と英表に分かれています。

―なるほど。どの授業に最も不満を感じていますか?

 文法の授業に不満があります。

 学校では文法のみをたくさんやるのですが、ほとんどの人が文法に苦戦して英語が嫌いになってしまうか、「文法つまらない!」と嫌になってしまっています。

 私の先生は、難関大学への合格ばかり目標に掲げています。ですが、正直その先生の授業を受けていても大学に受かる気がしないし、その時間自習していた方がよほど有意義な気がしてしまいます。

B 分かります。内職している生徒は本当に多いです。

―授業を聞かないのでしょうか…?

C 酷いんです。テキストの説明を軽く読み上げて次の問題へと進んでしまい、全く理解ができません……。

B 学んだ英語を実際に使う機会が、英表の授業にありません。授業を受けていても英語が話せないのも当然かなと思います。

A それは酷いですね。私は去年文法の先生がとても分かりやすかったので、全然嫌いじゃなかったです。

C 先生が分かりやすいのは、うらやましいです。英語ほど先生によって変わる科目もなかなかないですよね~。

留学で衝撃「他国の生徒は皆英語話せてる……」

―この中で、海外で英語教育を受けたことがある人はいますか?

B 一昨年の夏休みにアメリカへ短期留学をしました。英語圏ではない国から来た人も皆英語が話せていて、海外の英語教育は日本と違ってすごいのかな……と驚きました。

留学で英語への考え方は変わる

A やはり英語の勉強は国レベルで違うんですね……。となると、もう学校とかの問題ではない気がしてきました。

B 留学を経験して、「英語が話せるようになりたい!」とモチベーションになりました。留学にはお金も時間もかかり全員ができるわけではありませんが、もっと高校生にとって身近になればいいなと思います。

C 高校などで留学の支援制度とかがあるといいなと思います。学びたくても経済的な理由で留学へ行けない生徒は多そうですし。

B そうですよね。トビタテ(「トビタテ!留学JAPAN」のこと。文部科学省が運営する留学支援キャンペーン)など国の留学の支援制度も少しはありますが、もっとたくさんの人が留学を支援してもらえればかなり良いと思います!

他国は第二外国語も学ぶけれど……

―海外と日本の教育では、具体的にどのような点が大きく違うと思いますか?

C 帰国子女の友人の話を聞く限りでは、英語と同時に第二外国語も学んでいる国は多そうだなという印象を受けました。

B そうですよね。アメリカ人の友人が「3カ国語は話せて当たり前」と言っていて驚きました。日本でも高校の国際科に通っている友人は、第二外国語を学んでいるみたいですが、少数派ですよね。

C 私のアメリカやイギリスの友人も第二外国語を学んでいるみたいです。

―日本でも英語に加えて第二外国語を盛んに取り入れたほうが良いと思いますか?

A 現状で、他の外国語に力を入れようとするのは難しそう。今の日本の状況的に英語で精一杯な感じがします。ですが、今のままでは日本の語学教育が成長しない気もします。

B 私もそう思います。下手に他の外国語を始めても、どちらも中途半端になってしまいますもんね。