模試は受けっぱなしにせずに復習が大事、といいますが、どうやればいいのか迷う人も少なくありません。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する川上恵美理さん(文科二類2年、東京・渋谷教育学園渋谷高校出身)から高校生への、ノートやルーズリーフを使った摸試の復習方法のアドバイスを紹介します。

「模試は復習しないと意味がない」

今回は模試の活用法、というテーマで主にどう復習したらいいのかについてお話しします。

大学受験を見据える中で、多くの人が何度も模試を受けると思います。

模試を受ける上で一番よく聞く言葉とは、「模試は復習しなくては意味がない」なのではないでしょうか。

おそらく皆さん耳にタコができるほど聞いているでしょう。実際私も、受験生時代に限らず模試を受けた後には必ず言われてきました。

しかし「さあ復習しろ」と言われても、実際にはどう復習したらいいのかわからず不安になってしまっている人もいるのではないでしょうか。

逆に、自分は復習しているつもりでもただ模範解答や解説を読んだだけになっている人もいるでしょう(私は受験生になるまでこのタイプでした)。

そこで、実際に私がどのように復習していたのかを具体的に、国数英の3教科に絞って皆さんにご紹介します。

これは、皆さんにこの通りに復習することを強いるわけではありません。人それぞれ自分に合った復習法があるものです。

この記事が、皆さんがどう復習していくかを考える上で、「こういう風に復習した人もいるんだ」というように参考になることを願っています。

復習は「受けて1週間以内」と「返却から2日以内」に

まず初めに、教科別にどう復習したかを紹介する前に模試を復習するタイミングについてお伝えしようと思います。

私は、2回に分けて模試を復習していました。

1回目:受けたその日に始めてそこから1週間以内

2回目:模試が返却された日から2日以内

今回私が紹介するのは、1回目の時の復習のやり方についてです。

私は、1回目のタイミングでの復習が一番大事だと思います。

「模試が返却されてから復習すればいいや」と思っている人もいるかもしれませんが(そして復習しようしようと思っていても結果的にそうなってしまっている人もいるかもしれませんが)、

模試はできるだけ記憶が鮮明なうちに復習してしまったほうがいいでしょう。

返却されてからだと受けた時の記憶も薄くなってしまっていますし、何より他の人と比べてその模試で判明した弱点に対する動き出しが遅くなってしまいます。

私は、1回目の復習を丁寧にやることで、2回目の時は、どう採点されているかを見直し自分が思っていた採点とは違うところを確認するだけで復習を終わらせることができました。

それでは、具体的にどのように復習していたのかを紹介していきます。

<国語>模試で得たテクニックや知識をノートにまとめた

まず、現代文について紹介します。

実は、私は模試の現代文についてはあまり時間をかけて復習するということはしていませんでした。

なぜなら、現代文は、「模試よりも過去問を勉強するほうが効果ある」と考えていたからです。

しかし、だからと言って完全に見直ししなかったわけでもありません。

実は、ほとんどの模試の現代文の解説には、その問題の解説だけでなく問題を解くテクニックが書いてあります。

私はそういうテクニックを小さいノートにまとめていました。そのノートを模試や本番前に見直すことで、解き方の確認をしていました。

古文や漢文は、学校の授業で扱うように一文一文精読していました。

現代文と同じように模試で得た知識をまとめる小さいノートを作っていたため、そこに知らない単語や文法事項をまとめていました。

試験前にも見直ししやすいですし、持ち運びしやすいので小さいノートに書いていてよかったと思います。

また、現代文と同じように問題を解くテクニックが解説に書かれていたらそれもノートにメモしていました。

国語は他の教科と比べて記述の問題が多いため、なかなか自分の解答を問題用紙にメモしておいたり覚えていたりするのは難しいと思います。

だからこそ、まだ、模試の記憶が鮮明な一番初めに復習することをお勧めします。

<数学>「間違えた問題」をノートにして思考回路を理解

次に、数学について紹介します。

数学は、間違えた問題を集めたノートを作っていました。

問題と模範解答をコピーしてノートに貼り、模範解答の隣に自分の解答も書いて、どこで間違えたのか、何ができなかったのか見直せるようにしていました。

間違えた問題を見直す時は、解答を読んでノートに写すだけではなく、「どうしてここでこうしたのか」「どうしてこの方針だったのか」そして「自分の解答はどこまでできていたのか」などの点を意識するようにしていました。

模範解答を読めば分かったような気持ちになってしまいがちです。

しかしそれでは、全く同じ問題が出ない限り解けるようにはなりません。

だからこそ、どういう思考回路でその解答にたどり着いたのかを理解することが大切だと思います。

私は理解しにくかったところは赤でまとめていたノートに書き込んで、後から見直した時もわかるようにしていました。

特に模試で出てくる問題は、その模試を作っている予備校が重要視している問題ということだと思います。

よく理解しておくに越したことはありません。

<英語>模試を利用して単語を覚えた

最後に、英語について紹介します。

私は、英語の復習に一番時間をかけていました。

何故一番時間がかかっていたかというと、英語も古文や漢文と同じように一文一文精読して知らない単語をチェックしており、またその量が膨大だったからです。

知らなかった単語は、まずは持っている単語帳に載っていないか確認し、載っていた場合は載っていたということを示す印をつけてから、載っていなかった場合は電子辞書を利用して意味を調べてからルーズリーフにまとめていました。

多いときには、1回の模試でルーズリーフ表裏3枚分にもなっていました。

ただ知らない単語を調べるだけでなく、一々単語帳で調べていたためより時間がかかってしまっていました。

しかし、単語帳に載っているかどうかの作業を挟むことで、その単語に掛ける時間が増えるためより覚えやすくなります。

また、模試で出てきたけどわからなかった単語というのは、他の単語と比べて覚える意欲が湧いてきやすいものです。

単語を覚えるという行為は苦手な人が多いと思いますが、模試をうまく活用するといいと思います。

勉強計画を練り直して弱点克服を

ここまで私がどう模試を復習してきたかについて説明してきました。

皆さんご存知でしょうが、模試は復習するのはもちろんのことそれだけではなく、そこで判明した自分の弱点を克服することが必要です。

つまり、勉強計画を練り直す必要があるのです。

その計画は個人の成績や手応えによるので、学校の先生や塾のチューターなど信頼できる大人に相談するのがいいでしょう。

「英語の文法が苦手」などのある程度の傾向があるなら、ネットで検索してみると同じ状況の人は多くいるでしょうし、FairWindに質問していただいても構いません。

周りの大人やツールを上手に使って、模試をフル活用してください。

また初めにも書きましたが、この記事は「模試はこう復習すべきだ」というように復習法を押し付けるものではありません。

皆さんが自分なりの復習法を見つける上で、参考になれば幸いです。

ここまで読んでくださりありがとうございました。頑張ってください、応援しています!

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。