長時間労働の見直し、在宅勤務の導入や休日出勤の禁止など、働き方改革が進められています。そんな中、話す時間がないほど忙しく働く公務員の母の姿を見て感じたことを高校生に語ってもらいました。
深夜帰宅、土日も出勤…母と話せる時間がない
私の母は、地方公務員です。3年前に職場が変わり、以前より忙しくなりました。毎日のように帰宅時間は深夜0時過ぎです。
母が帰ってくるころには、たいてい私は寝ています。その日の出来事を話そうと思っても、翌朝になってしまうことがほとんどです。
しかし、朝も支度で忙しく、なかなかゆっくり話す時間をとることができません。せめて休みの日は母にゆっくりしてほしいという気持ちから、話すのを控えることもありました。
私は、学校であったことを母に話すのが大好きだったので、話せないことがとても苦痛でした。土日も仕事に行くことが多いので、家族みんなで過ごす時間が少ないです。
父は家事の負担が増し、母の働き方について両親が口論することもしばしばです。私は口論を聞くのが耐えられず、一人自分の部屋で泣いていました。家族の関係が崩れていくような気がして怖かったからです。
テレワーク導入されず「国が率先すべきでは…」
新型コロナウイルスの感染拡大によって、国や地方はテレワークを推進し始めました。多くの民間企業ではテレワークが普及し、働き方改革が進んでいます。
しかし日本のテレワーク導入率は、世界の国々と比べると低いのが現状です。母のように、テレワークなどの働き方改革を推進していくべき国や地方の公務員が、民間よりもテレワークなどを実践できていないのはとても残念に感じます。まずは国や地方が率先して実践していくべきではないかと思います。
また、母はもともと体が弱く、今のような働き方を続けると体を壊してしまうのではないかと心配です。「過労死」という言葉を身近に感じることもあります。
私は、母の働き方についてこのままでいいとは思いません。
わずかな時間を大事にして
私と同じように、親の仕事の関係でなかなか家族との時間を作れない人も大勢いると思います。私は、今ある家族とのほんのわずかな時間でも大切に過ごすことを心がけるようになりました。
ささいなことですが、「おはよう」や「行ってきます」など、必ず顔を見て声かけをするようにしています。家族みんなで行く外食などでは、今まで話せなかったことをしゃべり残しのないようにしゃべります(笑)
母からマッサージを頼まれることがよくあるのですが、今までの私は面倒くさくて適当に早く終わるようにしていました。しかし、母にマッサージをしている間も、母と話せる貴重な時間だと思うようになりました。(クリームチーズ=3年)