部活を勉強と両立することに悩む高校生は多いですが、高3までハードな部活を続けて第一志望校に合格することも可能です。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する桟将馬さん(文科一類2年、長崎県立諫早高校出身)から高校生への、「勉強と部活の両立方法」のアドバイスを紹介します。

勉強のために部活を諦めるのはもったいない

今この記事を読んでくれているみなさんの中には、勉強と部活をどっちもやりたいと思う一方で、両立するのが大変だと感じている人も多いのではないでしょうか。

このまま両立していくことはできるのか、部活は諦めた方がいいのではないかと不安に駆られている人もいるでしょう。

僕の考えとしては、自分でしっかりと納得した上での決断でない限り、勉強のために部活を諦める、という選択はあまりお勧めしません。

部活に未練がある状態では、学習に全力投球することは難しいでしょう。

また、部活を通して得られる体力・精神力や集中力、同級生や先輩・後輩とのつながりはとても大切なもので、これらを逃すのはとてももったいないことです。

それよりはまず、勉強と部活を両立できるような方法を探す方が得策だと僕は考えます。

僕自身も、高3の夏まで吹奏楽部で週6~7回活動していましたし、僕の周りにも高3まで忙しい部活に所属し、第一志望に合格した人が数多くいます。

このことが、学習と課外活動を両立することは可能だ、という何よりの証拠だと思います。

上手に工夫して、時間を効率的にやりくりすることができれば、両立は必ずできます。

ここからは、自分の経験を踏まえ、両立のためのアドバイスを大きく2つの面から書いていきます。

期間ごとに「何に力を注ぐか」決めて全力投球

1つ目のアドバイスは、とにかく学習と部活、その他の活動のメリハリをしっかりとつけることです。

それぞれの時期に何に力を注ぐのかしっかりと考えて、目的意識を持って活動に取り組むことが大切です。

試験前なら学習、大会前なら部活、行事の前なら行事に取り組む、という風にしっかりと決め、その期間は決めたことに全力で取り組みましょう。

また、1日の中でも、勉強する時間、部活の時間、友達と話す時間など、やることを明確に決めましょう。

1つのことに全力を尽くすことで、次の活動にしっかりと切り替えることができ、気づいたらなんとなく時間が経っていた、ということも防げると思います。

両方に同じくらいのウエイトを置いて取り組もうとしても、全力を出しきれず、中途半端に終わってしまうことになりかねません。

「時間がない」「夜は疲れている」前提に工夫できる

2つ目に、部活があることを前提に、勉強する時間や内容を工夫することです。

部活をやっていると、どうしても勉強に使える時間は限られてきますし、特に運動部などの場合は、部活後は疲れてしまって勉強に集中できない、という人も多いでしょう。

その一方で、最低限の量であっても毎日勉強を習慣化しておくというのは大切で、習慣さえついていれば、受験勉強を本格的に始めた時に楽になります。

つまり、課外活動が勉強に与えるマイナスの影響を予測した上で、それを解決できるように勉強の仕方を考えるということです。

夜は疲れてしまってあまり勉強できないだろう、と思う人は、疲れている時でもできるように、夜に好きな教科や暗記系の内容(英語の文法問題など)の学習に取り組むようにするのがいいでしょう。

また、夜は思い切って早く寝て、朝に学習に取り組むようにするのもいいかもしれません。

夜は必ず英語の予習をする、など、やることをルーティン化してしまうと、疲れている時でも意外と取り組むことができます。

部活の練習時間が長く、放課後や休日に学習に使える時間が少なければ、隙間時間を利用して学習を進めたり、授業を全力で聞いたりすることで、足りない分を学校にいるうちに補っておくことが必要でしょう。

ここに書いたアドバイスはあくまで一例ですが、少しでもみなさんの参考になっていたら嬉しいです。

先生や友達にもアドバイスをもらいながら、自分にあった両立の方法を探してみてください。

後から振り返って、勉強も課外活動も全力でやり切った、と言えるような高校生活を皆さんが送れることを願っています。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。