高校生が頭を悩ませる「将来の進路」。将来就きたい職業が決まっている場合は高校時代に学校を絞らないといけない。そもそも何をやりたいのか分からないという人も多いと思います。そんな時は進学情報を得たり相談にのってもらったりなど、進路指導をしてもらいますよね。世界の高校生はどんな進路指導を受けているのでしょうか? 高校生記者に取材してもらいました。

世界の進路指導事情は?

【ロシア】進路指導はなし、心理テストをオンラインで受けられる

Uliana さん(ロシア・モスクワ在住 高校3年女子)

ロシアの私が通う学校では進路指導が行われません。みんな自分の趣味や好きな科目などで決めます。

趣味がない人は、「プロフェッショナルオリエンテーション」という心理テストなどをオンラインで受けることができます。数学は好きか、ハンドメイドは好きか、人と関わるのは好きか、などの質問があります。

私は小学生のころからドラマが好きなので、映画監督になりたいです。自分の手で心踊る面白いドラマや映画を作りたいと思っています。(取材・翻訳 アジザ=3年)

【インド】進路指導はなし、成績順で学校が振り分けられる

サムルディさん(インド・プネー在住 高校2年女子)

インドでは、進路は成績順に決まっていくから、指導されることはないかもしれません。

10年間の義務教育の最後の年、14歳のときに全国共通試験(Board Exam)があります。その試験の点数によって高校が決まるんです。さらに2年後にまた試験を受けて、大学に入学という感じですね。成績順で自動的に学校が振り分けられていく感覚です。だから、2つの試験が終わって初めて進路に悩む余裕が出てくる気がしますね。(取材・翻訳 つくし=2年)

【中国】大学パンフ見て、学校内で説明会…日本に似てる

チョウさん(中国・四川省在住 高校3年女子)

学校が大学を紹介するパンフレットを配ってくれたり、大学が私たちの学校に来て説明会を行ったりすることも多いです。自分の気になる大学に入った先輩たちに聞きに行ったり、大学のウェブサイトで調べたりすることもあります。

どうしても進路を自力で決めるのが難しい場合、先生や両親、クラスメートと相談することも少なくありません。基本的には日本の進路指導と同じだと思います。(取材・翻訳 あんころ=2年)

【イタリア】地元の大学が高校訪問

リカルド君(イタリア・ウディネ出身 高校3年男子)

私の学校は公立だったこともあり、一人一人に対しての進路指導はあまり充実していませんでしたが、地元の大学が学校を訪問してくれることはありました。ミラノやボローニャ、ピサなどにある、とてもいい大学に行く数少ない生徒のほかは、自分の学びたい学部がある地元の大学への進学が多いです。

イタリアでは、高校が科学、古典、言語などの分野に分かれているのですが、高校で学習できることは異なっても、高校の種類によって受験できる学部や大学が制限されるということはないです。(取材・翻訳 もも=3年)

【イラン】塾、進路指導担当の先生や家族からアドバイス

アリー君(イラン・テヘラン在住 高校2年男子)

高校卒業後に進む指導・アドバイスは主に塾での指導や学校にいる進路指導担任の先生、家族からされます。

受験の仕方はまず進みたい学部を選択して、テストをして出された点数を参考に学科やいく学校を選んでます。多くの高校3年生が大学を受験し、大学に進学しています。受験で不合格になった生徒はもう1年猛勉強して再び受験をするか、専門学校に通う選択をします。

大学卒業後には、多くの人が大学院に進学しています。イランの大学には日本の大学と大きく違う点が1つあります。それは国立と県立の大学は学費が0円であるということです。(取材・翻訳 ニマ=3年)