受験生になって多くの模試を受けるものの、「受けっぱなし」になっているという人はいませんか。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する佐藤旺介さん(文科三類2年、秋田県立秋田高校出身)から高校生への模試の活用についてのアドバイスを紹介します。

学期の後半になるにつれ増えてくる模試は受けるだけでも一苦労ですよね。

私も高3の時、スケジュール帳にぎっしりつまった模試の日程におののいていたのを覚えています。

また模試に関しては、受けるだけではもちろん力はつかないので復習が必須です。

この「復習」にとりかかるハードルが高いわけですが…。

ということで、今回は

①復習にとりかかるハードルを下げる方法

②実際の復習で意識すべきところ

について紹介していきたいと思います。

模試の復習は、当日すぐに きついが達成感がある

まず①の「復習にとりかかるハードルを下げるコツ」には、

模試の日、もしくはその翌日に少しでも復習するということです。

模試の当日かその翌日に復習するなんて、コツって言えるの?って思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、そこはご容赦を。

ただ、やはり模試を受けた直後(打ちのめされているのか、もしくはできたと喜んでいるのかはともかく)が一番、次の勉強への意欲にあふれているはずです。

また人間は後回しにすればするほど、自らを正当化してやるべきことから目を背けたがる傾向がありますよね。

そういうわけで模試は、受けた直後に復習するのがベストなわけです。

僕の場合、模試を受けた直後、まっすぐ塾や図書館の自習室に向かって(←家だと絶対寝る)、その日のうちに大雑把ですが復習を終わらせていました。

肉体的にはかなりきつかったですが、その分間違えた問題の解法なども記憶に残りますし、なにより寝る前の「今日はすごくがんばったなあ」という達成感が得られたのを覚えています。

模試を受けた後はくたくたではあると思いますが、さらっとでもいいので復習をしましょう。この時できるだけ多くの教科に触れておくと、翌日以降もさくさく復習が進みます。

「目的は本番」意識して、次に生かせる復習を

次に②「実際の復習で意識すべきところ」に関して。復習のしかたについては様々な方法がありますが、個人的には、自分にあう方法を見つけてそれをカスタマイズするのが一番だと思っています。

ですが、たくさんある方法にも共通点があります。それは「本番で点数をとることが目的」ということです。

これこそがみなさんにも意識してほしいところなのですが、模試は本番のリハーサルにすぎません。「本番に点数をとれるか」だけが重要なわけです。

たとえば模試で、ある数学の問題を間違ったとします。

そのとき「その問題をもう一回やれば解ける」だけではもったいないのです。

そうではなくて、その問題の考え方を次に生かせるようにまとめたり、なぜ間違えたのかを分析したり、どうすれば次に間違えないかを考えるほうが(少なくとも本番で点数をとるには)大事だと思います。

同様に地歴などでも、知識を知っていたからOKではなくて、例えば「東大ならどうやってこのことに関する問題を出すのかな」など本番を想定して考えることが重要だと思います。

もちろん一問ずつこんなに丁寧にやっていたら時間がいくらあっても足りないので、実際は自分に与えられた時間と調整して問題をピックアップすることにはなると思います。

①当日、もしくは翌日復習。

②復習の意識は「本番点数をとるにはどうしたらいいか」に置く。

超当たり前の二つの内容でしたが、当たり前のことこそ意識すれば大きな成果を生むことになります。

すこしでも「お、いいな」と思った方は今後の学習にとりいれてみてください。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。