この春、高校生を卒業したカナリヤさんの父親は、いつも家族に怒鳴り続けていました。幼いころからそんな父を恐れていた彼女は、高校3年になったある日、勇気を出して3年ぶりに父と話をする決意をし、勇気を出して注意をしました。

怒鳴り物に当たる父に日常的におびえて

私の父は、自分の気に入らないことがあるとすぐに家族を怒鳴りつけたり、物に当たったりする人でした。

私は日常的に父におびえ、父が無口になったり、街中で大きな音を聞いたりすると心臓がどきどきし、何も手につかなくなりました。そして中学生のころ、そんな自分にも父にも嫌気がさし、完全に父を無視するようになりました。

父におびえる日々が続いていた

大学受験も手につかず対話を決意

やがて私も高校3年生になり、大学受験に向けて勉強に励んでいました。

しかし、父が階段を上る音、ドアを閉める音がその都度耳についたり、父がいつ怒鳴るかわからないという恐怖を感じたりして、なかなか勉強が手につきませんでした。

大学受験は人生の大きな選択です。ここで私は、いつまでも父におびえたり無視したりするだけではなく、自分の意見を伝えることが大切だと気付きました。つまり、父ができなかった対話による解決を、私はしたいと感じたのです。

そうして、父と約3年ぶりに面と向かって話をすることを決意しました。 

怒ることがなくなった穏やかな毎日

小さなころから恐れてきた父に意見するのは、非常に怖かったです。しかし、決意を固めてある夏の夜、父のもとへ向かいました。

父には、これまで口をきかなかったことを謝り、自分が怒鳴られたり家族が怒鳴られている様子を見たりすることがとてもつらかったこと、そしてこれからは、何か嫌なことがあったら怒るのではなく、その旨を相手に話してほしいと伝え、約束しました。 

思い切って父に思いを伝えた

その後父が怒ることはほとんどなくなり、私と父の間での会話も増えていきました。家族内にも笑顔が増え、今は見違えるほど穏やかな毎日を送っています。

泣かずに落ち着いて話せたことは誇り

あのとき父の前で最後まで泣かずに、落ち着いて話せたことは私の誇りです。

学校のある先生には、子どもの力で親を変えることは絶対にできないと言われました。しかし、私はやってのけたのです。皆さんも勇気をもって1歩踏み出してみると、世界を変えることができるかもしれませんよ。(カナリヤ=3月卒業)