勉強、部活、遊びなどさまざまな憧れを抱いて入学したのに、いつの間にか「こんなはずじゃなかった…」「思い描いていた生活と違う……」と感じてしまうことはないでしょうか。クラスや部活の人間関係での悩みや、コロナウイルスの影響によるストレスなど、高校生記者が今感じていることを自由に話してもらいました。

座談会に参加してくれた高校生記者

Aさん(2年)

行事のときにクラス一丸となって全力で取り組むことが憧れ。しかし行事の度にギャップを感じている。

Bさん(3年)

行事に全力で取り組む雰囲気がある生活が憧れ。しかし演劇部での部活の時間以外はほとんどギャップを感じている。

Cさん(1年)

男女の垣根なく仲が良く、行事がとても盛り上がったり、放課後やテスト前などずっと友達と過ごせるような生活が憧れ。実際は、行事のときや他校の友達を見たときにギャップを感じている。また1年生のためコロナ禍での高校生活しか知らない。

Dさん(1年)

性別の垣根が無く、行事の際にクラスが団結することが憧れ。実際は、行事のときなどにギャップを感じている。Cさん同様、コロナ禍での高校生活しか知らない。

コロナ禍で行事なし、クラスの団結感が失われた

―皆さんが最もギャップを感じるときはいつですか?

B クラスの一体感のなさです……。特に行事のときに強く感じました。クラスで団結して行事をするというのが憧れだったので。

A 私も同じです!

C うちのクラスは、男女があまり仲良くないところにギャップを感じます。

男女で仲良くできると思っていたが……(写真はイメージ)

A 同感すぎます……男女も、もっと仲良くしゃべると思っていました。私の学校の体育祭はクラス単位ではないですが、団結力がなかったですね。

B そうなんですか。一緒です。男女でなんで仲良くできないんですかね。うちのところは、男女の仲の悪さを先生に指摘されるくらいですよ……。とても仲が悪かったです。

―……男女間でそんなに話さないんですか?

A うーん、話さないというか、私のクラスは高2でクラスが変わり、1学期はコロナのため学校がなく、行事もすべて潰れてしまったんですよね。仲が悪いというか、クラスの男子の名前も知らない人が多くいました。

C 昨年度は文化祭だけがあったのですが、男女の意思疎通がなかなかうまくいきませんでした。コロナの影響で、クラスで過ごす期間が短かったからなのかなと思いました。

勉強したいから行事が盛り上がらない問題

―コロナの影響でクラスの団結感が失われた感じなのでしょうか……。コロナが流行する前はどうでしたか?

B 私の学校の場合、ほとんどの人が大学受験をするので、勉強に専念する感じで……だから去年も行事で団結するという雰囲気はなかったです。行事などでの仕事は、「指定校推薦やAOを中心に考えている人がやればいいんじゃない?」という人もいて。

C それはかなり無責任に感じますね……。

A でも行事はあるわけですよね。仕事の分担はどうしていましたか?

B リーダーに名乗り出てくれた人と、その人と仲がいい人たちがほとんどやってくれました。他の人たちは決められたシフトに入るだけでした。

A 一部の人だけがやる感じかー。男女の仲の悪さやクラスの一体感の無さが影響しますね。

―行事を団結してやり遂げて青春するぞ!なんて思っていたら、確かにギャップを感じちゃいますよね。

B そうですね。思い描いていた青春とはかなり違いました。

C 行事という点では、今の私のクラスはうまく回っていたのかな、と思います。

B Cさんのクラスは、男女はあまり話さないって雰囲気なんでしたっけ。何か工夫をしたりしたのですか?

C うーん……工夫という工夫はなかったような気がしますが、なんだかんだでみんな積極的に動いてくれていたと思います。

B それはいいクラスですね。うらやましいです……。

C 高校生になって初めての、そして今年唯一の行事だったので、みんなの「成功させたい」という気持ちが大きかったように感じます。

B なるほど。

受験がクラスの団結を妨げる?

―行事が盛り上がらない原因に、受験の話も出ましたね。

B 受験に関してはその人の将来に大きくかかわる出来事なので、参加をお願いすることはできても、強要することはできないので、そこが難しいと感じました。

C そうですね……。やはり3年生になると、行事などであまり盛り上がらなくなってしまうんでしょうか。

A 私の学校の昨年の体育祭はむしろ、3年の方々が盛り上げていた気がしました。

B コロナがあっていつも通りの行事ができなかったので例年とは違うかもしれませんが、私の学校では代替行事でも盛り上がりはそこまでなかったです。Aさんとはかなり違いがありますね。

A ですが、体育祭だけしか縦のつながりが無かったので、高1・高2はあまり盛り上がらず、もどかしい気持ちになりました。

―行事の捉え方が生徒により違いますよね。盛り上がりたい人もいれば、勉強だけしたい人もいる。

B 私の学校にも盛り上がる人はいましたが、そういう人たちを軽蔑したり、「まじめに勉強に取り組んでいない証拠だ」と言ったりする人も結構いたので、盛り上がりに欠けたのだと思います。

C そういう意見が出てしまうのは少しショックです……。

B 高1・高2の行事は全力で楽しみたいですよね。少々暴論な感じもしました。

―行事が盛り上がる学校もあれば、盛り上がらない学校もある。行事について生徒間の温度差をどう解決するか、なかなか難しい問題ですね。

行事を盛り下げる先生がいる……?

A 生徒だけでなく、先生の態度もギャップを感じました。

―というと?

A 行事に関してはある程度生徒に自由にさせてもらえるのかな、と思っていたんです。ですが、例年体育着でやる体育祭のダンスを「衣装を着てやりたい」という意見は先生に却下されてしまいました。コロナのせいで何も行事ができていなかったし、行事のときは少し自由にやれると思っていました。

B 私の学校でも体育祭でクラスTシャツを作る必要性について、わかりやすく説明するように先生たちに言われてしまいました。なんだか冷めてしまいますよね。

―生徒の提案を制限しようとするような先生がいるんですね。

C 先生が私たち生徒の気持ちを汲み取ってくれないのはつらいですね……。

B 理由も何も、高校生活の楽しい思い出を作りたいのに……と思ってしまいました。

A そうですよね。

C 私の学校は先生たちも比較的協力してくれていたと思います。

B Cさんの学校はいいですね。通いたいです(笑)

C うーん、うちの学校の先生は「できる限りのことはやろう」という雰囲気だったのかな?

A こういう問題は、先生と生徒がたくさん話し合うことが重要な気がします。

B ですよね。何事もそうですが、ただ反抗したり抑圧したりしても意味はないと思います。

C そうですね。私の学校は若い先生が多い印象なので、その点ではうまくいっていたように感じます。

(続きます)