そろそろバレンタインデー。デパート、スーパー、コンビニ……日本ではどのお店に入っても、さまざまチョコレートが売られていますよね。海外ではどんな雰囲気なのでしょう。今回は、台湾の高校に通っている高校生記者・マリオンさんに、台湾のバレンタインについて教えてもらいました。
台湾のバレンタインデーって、どう祝うのでしょうか? 実は台湾では、2月14日のバレンタインデーはあまり盛り上がりません。
日本では、西洋から入った風習を独自に発展させて、チョコレートを贈る文化が定着していますが、台湾では旧暦7月7日の七夕「情人節」(情人=恋人)がバレンタインデーのようなものです。
春節シーズンと重なって盛り上がらず
2月14日は「西洋情人節」と呼ばれたりしますが、日本や西洋の文化に敏感な一部の人だけが恋人に贈り物をする程度です。日系のコンビニでチョコレートなどを宣伝したり、デパートがプロモーションをしたりします。
ですが、中華圏の一大イベント「春節(旧正月)」も近いので、年が明けて1月に入ると、もう本格的に春節関連のデコレーションや贈答品商戦が始まり、バレンタインデーはあまり存在感がないまま過ぎてしまいます。
恋人たちのお祭りが夏にある
そこで今回は、旧暦七夕の「情人節」について紹介したいと思います。
由来はもちろん、織姫と彦星の恋物語です。台湾では「牛郎織女(牛飼いと織姫)」という伝説として知られています。
この時期が近づくと、デパートやレストラン、スイーツ店などの宣伝広告を見かけるようになります。ほかにも、関連イベントや演劇などが開催されます。日本の七夕のように、子ども向けの読み聞かせイベントなどもあります。
ただ、日本のバレンタインデーが、本命チョコ・義理チョコなど、子どもから大人まで盛り上がるのと違い、「七夕情人節」は恋人同士だけで祝う日です。
プレゼントは男性から女性に贈るので、デパートなどで力を入れている商品もアクセサリーなどです。ホテルやレストランも特別メニューを出していますが、一般的に社会人や大学生以上の人が祝うイメージで、私たち高校生やそれ以下の年齢では、あまり話題になりません。
また、旧暦7月7日は新暦8月ごろで、学校の夏休み中なので、クラスメートと会う機会もほとんどありません。恋愛話で盛り上がることもないまま、毎年いつの間にか過ぎているという感じです。
元は子どもの健康と成長を願う日
ですが、今回、台湾の方々に取材して初めて知ったのですが、もともと情人節は恋人と過ごす日ではなく、子どもの健康と成長を願う「祭拜床母」という日だったそうです。
「床母」とは子どもを守る女神のことで、旧暦7月7日が床母誕生の日だったため、この日に子どもの健やかな成長を願って床母を祀る(祭拜)という風習があったのです。
それがいつからか西洋のバレンタイン文化と中国の織姫彦星伝説の融合により、現在のようになったようです。風習や文化は、時代とともに変化していくんだなと感じました。(高校生記者・マリオン=1年)