一般入試などにインターネット出願を導入する早稲田大学

早稲田大学は2月24日、2017年4月入学者を対象とする学部一般入試とセンター試験利用入試から、紙の願書による出願方式からインターネットを利用した方式(ネット出願)に切り替えることを明らかにした。早大広報課は取材に対し「ネットの普及が進み、受験生の利便性が紙よりネットのほうがはるかに高い」と理由を話している。入学手続きにもネットを導入する。インターネット環境がない受験生には、「代行入力」のサポートを実施するという。
 

一般入試・センター利用入試で導入

早大の学部一般入試とセンター試験利用入試は、2016年度は約10万8千人が志願している。これまでは紙の願書を郵送する方式だったが、17年度からインターネット経由のみの受け付けとなる。AO入試や推薦入試については、17年度は導入せず、17年度の一般入試の実施状況などをふまえて18年度以降の導入を検討する。帰国生入試・外国学生入試はこれまでもネット出願を導入していた。

「受験生の利便性がはるかに高い」他大の実績も見て決定

早大は変更の理由を「受験生の利便性を考慮した」としている。メリットとして、①願書の取り寄せが不要になり、地方在住で身近に願書が販売されていない場合や締切日間近でも出願が可能になる②ネット上のシステムのチェックにより記入間違いが減る③災害や交通遅延などによる試験時間の変更などの通知をメールで確認できる――ことなどを挙げた。

早大広報課によると、以前から一般入試などへのネット出願導入の検討を続けてきたが「インターネットの普及が進んだことや、地方在住者も含めて受験生の利便性が紙よりネットのほうがはるかに高い」との判断に至り、他大の導入事例も見た上で、導入を決めたという。

ネット環境ない受験生へのサポートも

一方、ネット環境のない受験生のために「代行入力によるサポート」も行うという。現時点で詳細は明らかにしていないが、「進学を希望する受験生が環境によって志願できないことはない」としている。

詳細は11月に発表へ

早大は17年度から入学手続きにもネットを導入するとしている。入学手続きへのネット導入は大学院(研究科)や附属校も含めた実施となるという。他大はネット出願の導入に際して、入学検定料を割り引くケースもあるが、早大はネット出願導入後の検定料を明らかにしていない。検定料も含め、一般入試・センター試験利用入試のネット出願手続きの詳細は、例年11月に公表している入学試験要項とウェブサイトで明らかにするという。

大学入試をめぐっては、私立大学を中心にネット出願への切り替えが進んでおり、志願者が全国有数の早大の動向が注目されていた。