日本の少子化は深刻と言われています。ライフスタイルの変化、未婚の増加、晩婚化などさまざな理由が挙げられますが、どうすれば結婚・子育て世代が子どもを産もうと考えられるのでしょうか。少子化を止めるのに必要なことを女子高校生が考えてみました。(高校生記者・チュッパチャプス=2年)

精神的な余裕がないのが原因?

日本では少子化が深刻と言われています。実際、子どもの出生率は4年連続で低下し、2019年の出生率は過去最低でした。

出生率が低い日本。どうすればよいのか

なぜ出生率が低下しているのでしょうか? 

未婚率の増加や晩婚化、女性の社会進出や価値観の多様化が原因として言われています(内閣府発表より)。結婚・子育て世代への支援、男性の家事・育児参加の促進、不妊治療への補助金の増額など、政府はさまざまな対策を取っているそうです。

そこで、高校生の私が改めて日本の少子化をストップするには何が必要か、考えてみました。それは「メンタルヘルスケアの充実」です。少子化の原因は、精神的な余裕がないことにあると考えるからです。

オフィス以外でも仕事をする人々

通学するとき、電車内で仕事をしている人や、電話で謝っている人をよく見かけるんです。仕事場以外でも仕事をしなくてはならない環境にあるのだと気づきました。

通学中にサラリーマンの姿を見て仕事の大変さを感じた

学生が、宿題が追いつかなくて電車でするのと同じように、大人もまた、仕事が追いつかないのだと感じました。仕事が立て込むことによる精神的な負担は大きく、多くのことを考えられなくなります。

「余裕がある」ことで他人を気にかけたり、先のことについて考えたりすることが可能になります。

精神的な余裕がない人が多い?

高校生も、課題やテストへのプレッシャーによるストレスで、試験期間はクラスの雰囲気が普段と違います。部活や課外活動など、試験以外のことが考えられなくなることも多いと思います。ずっとテスト続きであれば、余裕がなくなって、何かを疎かにしてしまうことも少なくありません。私もテスト2週間前からは勉強に集中するので、学生団体などの活動に関わる機会を少なくしなければなりません。

仕事で余裕がないのでは

社会人はこれに加え、家事を自分でしなくてはいけなかったり、仕事が終わっても飲み会があったりと、私たち高校生以上にストレスがたまりやすい状況にあるのかな、と想像できます。

私は、サラリーマンが駅のホームで叱責されているのを見たことがあります。周りの空気は凍りついていて、誰一人として声を出せない様子でした。

私は友だちと一緒に電車を待っていたのですが、顔を見合わせるだけで喋らず、その場の空気がさらに悪くならないよう祈るだけでした。

ストレスがたまっていることは他人に伝わりやすいです。限界を超えて外に出ると、周りを険悪な雰囲気にさせてしまうこともあるのです。

精神的なストレスによって、仕事など特定のことしか考えられなくなり、「子供を産む」という選択肢が自然に消えてしまっているのではと考えます。

他人に頼れる仕組みが必要では

仕事で忙しすぎてストレスを抱える大人に必要なのは、「他人に頼れる環境」だと感じました。

そのために、メンタルヘルスケアを充実させることが必要なのではと思います。そうすることで心に余裕が産まれ、自然と「子供」についても考えられるようになるのではないでしょうか。

自分ができないこと、不得意なことを自身でしっかりと理解し、それを得意としている人に頼る。これが余裕を産む方法だと思います。また、全部ひとりでやらなければと責任を感じすぎないことで、ストレスを低減することも必要であると考えます。