9月に創立140周年を迎える専修大学。10年前から進めてきた教育改革が実を結び、2020年4月には「国際コミュニケーション学部」が誕生した。求める学生像や2021年度入試の変更点、高校生へのメッセージなどを入学センターの寺田泰夫部長に聞いた。
—どのような学生を求めていますか。アドミッション・ポリシーを高校生に分かりやすくお聞かせください。
専修大学の建学の理念「社会に対する報恩奉仕」を時代に即して言い換えたのが「社会知性(Socio-Intelligence)の開発」(専修大学21世紀ビジョン)です。「社会知性」とは、私たちの社会が抱えているさまざまな課題を解決するために必要な力のこと。具体的には専門知識やグローバルな視野、創造的な発想力、コミュニケーションスキルなどのことで、本学ではさらにこれらを実際に使いこなすための深い人間理解と倫理観が不可欠だと考えています。本学に入学を希望する皆さんは「自分はどんな分野の社会課題に興味・関心があるのか」という観点で学部・学科選びをするという方法もあります。
地方の受験生の負担を軽減する入試方法も
—貴学ならではの入試制度やそのメリットをおしえてください。
地方の優秀な受験生を集めるため、奨学生入試である「スカラシップ入試」と1回の試験で複数学部・学科が併願できる「全国入試」を全国17会場で行う「スカラシップ・全国入学試験」を実施しています。交通費や移動の労力のかからない受験方式は、コロナ禍においても大きなメリットとなるでしょう。なお「スカラシップ・全国入試」は昨年から2回実施されており、チャンスが広がっています。また、同日試験日に、「スカラシップ入試」と「全国入試」の同一学部・学科を併願すれば、1回分の受験料しかかかりません。
合格すると4年間の授業料と施設費が免除されるスカラシップ入試のほか、本学には首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)以外の学生を対象にした「専修大学進学サポート奨学生」制度も。採用候補者として入学試験に合格・入学すると授業料の半額が4年間支給されます。採用候補者数は300名、出願条件は評定平均3.5以上で、ご父母の年収が800万円未満であること。スカラシップ入試に比べてハードルが低く、申請のチャンスが年内と年明けの2回あることもメリットです。
英語外部試験の成績を入試に利用
TOEICや英検といった英語外部試験の成績を利用する本学ならではの入試方式もあります。英検の場合、2級は80点、準1級は100点に換算され、当日の英語の試験は免除ですが、受験した場合はどちらか高得点のほうを判定に使います。英語の得意な生徒にとっては非常に有利な入試方式といえるでしょう。
—2021年度入試に変更点はありますか。
大学入学共通テストの実施に伴い、大学入学共通テストの成績のみで判定する「大学入学共通テスト利用入学試験(前期・後期)」を実施します。また、一般選抜では、「現代文」「古文」「国語常識」の3分野だった国語の出題範囲が、「現代文」と「古文」のみに。数学は、これまでの出題範囲「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学A」に「数学B(数列・ベクトル)」が加わります。
ネットワーク情報学部では、アドミッション・ポリシーに合わせ、大学入学共通テスト利用入学試験とすべての一般選抜で「数学」を活用することになりました。詳細については必ず入学ガイドや、10月中旬に公開予定の入学試験要項を確認してください。
—新型コロナへの対応を決まっている範囲でおしえてください。
大学入学共通テスト利用入学試験については、選考方法をはじめ、出願期間、合格発表、手続期間等の変更はありません。ただし、特例追試験(令和3年2月13日,14日実施)受験者の合格発表、手続期間については、新たに別に定め、専修大学ホームページでお知らせいたします。一般選抜は基本的には変更はありません。文部科学省のガイドラインに沿って、三密を避けながら試験を実施します。なお、一般選抜において新型コロナウイルス感染症に罹患した入学志願者の受験機会の確保については、「追加の受験料を徴収せずに、別日程への受験振替等」を予定しています。
「国際コミュニケーション学部」で海外留学
—教育内容に関する最近のトピックスは?
今年4月に「国際コミュニケーション学部」がスタートしました。同学部「異文化コミュニケーション学科」の教育目標は、複数の外国語を習得し、国際社会で活躍できる人材を育成すること。このため2年次の前期に全員が海外留学するのがカリキュラムの最大の特長です。帰国後は必修科目「異文化交流ワークショップ」でそれぞれの留学先での体験や文化・言語について発表し合い、世界の国々を理解・比較することにつなげていきます。一方、私たちが普段使っている日本語について、多面的・総合的に学ぶことができるのが「日本語学科」です。国際化社会の中で、言語や文化の多様性を深く理解する“真のグローバル人材”を育てます。
国際コミュニケーション学部の学生が学ぶ神田新校舎の15階には、留学生と日本人学生の“交流の場”として「グローバルフロア」を設置しました。留学生との日常的なコミュニケーションを通じて、語学力の維持・向上を図ることができます。
人間理解と倫理観をもって「社会課題の解決」に取り組む人材に
—高校生へのメッセージをお願いします。
今年の高校3年生は大学入学共通テストをめぐる混乱や、新型コロナウイルス感染症の拡大など、さまざまな試練のなかで受験に挑むことになりました。しかしその試練に立ち向かっているのはあなた一人ではありません。気持ちを切り替え、いまやるべきこと、やれることにしっかりと取り組んでください。来年の4月、皆さんが笑顔で大学の門をくぐれることを祈っています。