偏差値が80ある高校生記者のささみさんは、有数の進学校に通っています。勉強が得意な高校生は、スキマ時間をどのように利用しているのでしょうか。ささみさんが実践するスキマ時間の活用法を教えてもらいました。

身支度中や通学中の時間、休み時間…私たちの一日の中に溢れる、いわゆる「スキマ時間」たち。成績アップの鍵であるとはしばしば耳にするものの、いざ実際に活用してみようとするとどうにも上手くいかず、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

動画・ポッドキャスト視聴に使用する愛用のワイヤレスイヤホン。Amazonで2000円程度で購入。邪魔な紐がないため、ドライヤーをかけながら聞くこともでき、スキマ時間活用に最適

そこで、私なりに見出した「最強スキマ時間活用法」を紹介したいと思います!

【朝】YouTubeで授業動画をチェック

歯磨きやヘアセット、着替えなどで忙しく、なかなか手が空かない朝。そんな朝のスキマ時間におすすめなのは、視覚と聴覚をフル活用して「授業動画」を視聴すること! 

イチオシはYouTubeで「超わかる高校数学」さんが投稿している「まとめ動画」シリーズです。各単元の重要問題とその解法が15分程度の動画に凝縮されています。

 

繰り返し視聴することで、単元の要旨と基礎・標準問題の解法を徹底的に頭にたたき込むことができるでしょう。「定期テストでは点が取れるけれど、模試の成績が伸び悩んでいる…」、そんな方にぜひおすすめしたいです!

【登下校中】ネットラジオで英語の番組を聞く

歩行中の「ながら〇〇」は周囲に迷惑がかかってしまうし、危険。そんなときには、聴覚を活用しましょう。私は英語のポッドキャスト、いわゆるインターネットラジオを毎日視聴しています。

コンテンツはインターネットの海にあふれかえっており、アップル標準搭載アプリの「Podcast」や、音楽視聴アプリとして有名な「Spotify」等からアクセスできます。

Stuff you should knowポッドキャストの再生画面

おすすめの番組はiHeartRadioの「Stuff You Should Know」とTEDの「TED Talks Daily」。前者は、2人の男性パーソナリティが指定のテーマについて、1時間ほど語り尽くす番組です。政治や科学から哲学まで、話題はまさに多種多様。「Short Stuff」という、気軽に視聴できる15分間の回もあります。

後者は、各分野の専門家が自分の傾倒しているテーマについて、15分ほどでプレゼンする、「TED Talk」のラジオ版です。TEDは英語学習教材として有名ですし、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

両方の番組に共通しているのが、英語力が上がるだけに留まらず、「教養」も身につくということ。視野が圧倒的に広がります。再生速度も自身のレベルに合わせて調整可能です。ぜひお試しあれ!

【登下校中】暗記ペンをひいた教科書をチェック

電車通学の私にとって、乗車中の勉強法の命運を分けるのは、そう、席に座れるかどうかです。

座れなかった場合、満員電車の人波に押しつぶされながら、ポッドキャストの視聴を続けます。テスト前には、自分で教科書を音読した録音音声を聴いたりもしています。

運よく座れた場合、教科書と赤シートを取り出して暗記を始めます。教科書に暗記ペンで大量に線を引いてあるのです。公共交通機関内で文字を書くのは、さすがに周囲の目が気になりますが、この方法なら筆記用具がなくても密度の濃い学習ができます。

教科書と赤シートさえあればどこでも勉強できる

【休み時間】一人で勉強しない、友達を巻き込む

休み時間には、あまり1人で勉強をしないようにしています。人生に一度きりの高校生活、勉強漬けはちょっと寂しい! 友達と話したり、委員会や部活の仕事に奔走したりしています。

ただ、全く勉強しないというわけではありません。1人でではなく、友達とします。自分の理解が不十分だった箇所に気づかされたり、誤って写してしまっていた板書を指摘してもらえたり……私にとって、とても大切な時間です。

友達といると勉強がはかどらないという方もいると思います。ですが、おのおのが異なる教材に向き合おうとするから、そのとき取り組んでいる内容と無関係な話題で盛り上がることになり、勉強から気が逸れてしまうのではないでしょうか。最初から共通の学習内容に取り組むことが大切だと思います。

せっかく友達と一緒に勉強するのだから、ペンを握って問題を解くのではなく、議論し教えあう、つまり「話す」のが理想でしょう。ベタですが、「問題の出し合いっこ」はきっかけ作りとして非常におすすめです!

スマホでSNSチェックは一日1回

スキマ時間を活用したい私たちの前に立ちはだかる最大の敵は、「スマホ」ですよね。私も悩まされました。

SNSのチェックは、1日1回に限定するようにしています。ただし委員会関係のLINEなどは通知をオンにし、大切な連絡にはすぐに返信するよう心がけています。ついついスマホを開くとき、「仕事の連絡が来ているかもしれない」を言い訳にしている自分に気がつき、この方法を導入したところ、効果てきめんでした。

勉強だけにならない、自分に合う方法を探す

以上、私が実践しているスキマ時間活用法でした。最後に2点、注意事項があります。

1つ目。ストイックになりすぎるのもよくないということ。ストレスがたまってしまうし、視野が狭くなりかねないからです。ぼーっと考えを巡らすだけの、一見無駄のような時間も、実は意外と大切。良いアイデアが思い浮かぶのは、案外そういう時間だったりします。

スマホは禁止するべきだと言っているのでもありません。私もたまに通学中にスマホを取り出し、興味分野や趣味について検索して情報を集めています。勉強だけの日々を送っていては、頭でっかちのつまらない人間になってしまうのではないでしょうか。「スキマ時間活用を決意するも三日坊主に…」。そんな方は、このように「休息日」を設けるのも効果的なのではないかと思います。

2点目。私と皆さんは、それぞれ違う人間です。紹介した勉強法についても、合う・合わないがあると思います。まずはいろいろ試してみましょう。自分に合ったスキマ時間活用法が自ずと見つかるはずです。(高校生記者・ささみ=2年)