高校生のパタットさんは先生に片思い中。今の気持ちをつづってもらった。
留学での成長を褒めてくれた言葉が胸に刺さり
「留学に行って、変わったよ。なんかこう……丸くなった? 視野が広がった!」
私を見て、先生の言葉を選ぶ慎重な横顔に、思わず笑ってしまった。でも、成長を認めてくれたその言葉は、むずがゆいくらいにうれしかった。
帰国後、留学で学んだことの多さゆえに悩み、一時期本気で学校に行きたくないと思ったこともあった。だから、先生の言葉は胸に刺さった。それが「私の片思い中の相手」だからなおさら。
「先生が好き」は勘違い?親友に相談してみて
初めは先生の名前も覚えていないくらいの存在だった。でも、課外活動をきっかけに段々と関わるようになった先生への気持ちは、次第に変化していった。
とはいえ、「先生が好き」なんて、物語の中だけだと思っていた私は、しばらくの間きっと勘違いだと考えていた。
親友に相談し、「好きっていう気持ちは各自の自由」「否定する必要はないんじゃない」という言葉に背中を押された。自分の恋バナをするのは得意でなくて、ましてや相手が先生となると相談するのもかなり気が引けたのだけれど、親友を信じて話してみて良かったと思っている。やっと自分の気持ちを受け入れられたのは、昨年のことだ。
私の好意は裏切り?それとも…
それからは、先生の担当教科や課外活動により一層励んだりして、おかげで勉強でも活動でも良い成績を取れた。一方で、まだ悩みも尽きていない。
私の好意は、教師として私に接してくれていて、生徒である私の成長を心から望んでくれている先生に対する裏切りではないだろうか。よくそう考える。
親友の言葉を思い出して一時解決しても、悩みはまた現れてしまって、これからもまだ続きそう。けれど、この悩みもいつか成長の糧になってくれるのではないかと思っている。「恋は人を変える」とよく言うから、きっとそうなると信じている。
私自身悩み中だから偉そうなことは言えないのだけれど、自分の気持ちに向き合うこと、そして悩みぬくこと。これは、どんなものより価値があるのかもしれない。(パタット=3年)