私が入部した陸上部は強豪で、インターハイの常連校でした。活動内容も上下関係も厳しかったです。たくさんのいわゆる「昭和くさい」ことを先輩たちからされてきました。その中で1つ、今でも忘れられないエピソードをお話しします。(なっつん=3年)

「この高校のやり方に合わして?」メモを手に次々に注文

まだ入部して1カ月もたたない頃、私たち1年生は部活の終わりに「ちょっと話したいことがあるから、倉庫の裏に来てくれない?」と1つ上の2年生の先輩に呼び出されました。ビクビクして「え? なんだろう」「怒られるのかな」とみんなで驚きました。

先輩に呼び出される(写真はイメージ)

部活が終わり、私たちはライトの光が当たるところで待っていたら、倉庫の裏の暗闇のほうへ呼ばれ、こう言われました。

「あのさ、もうすぐ総体だよね。だからさ、この高校のやり方に合わして? 先輩が荷物を持ってたら持って。部活の準備も1年生が一番先に行って。みんなでずっとしゃべってないで」

7人の先輩に日々の不満をメモを見ながらたくさん言われました。そのメモはおそらく、先輩みんなで書いて回したものだと思います。怖くて驚いて固まってしまいました。すっごく怖かったです。1つ上の先輩たちが引退するまで数回、呼び出されました。

「昭和くさい」引退してくれて本当にうれしい

私は、「こんな事して楽しい? 本当に昭和くさい」と思いました。このできごとがきっかけで、先輩たちが卒業するまで先輩たちのことが大っ嫌いでした。引退してくれて、本当にうれしかったです。

学んだのは、教える側も教えられる側も人間だから思いやりを持つということ。自分は後輩に接してあげたいと思いました。過去の話で今はもう、やるせない気持ちもありますが、いいネタになりました。ありがとうございます、先輩たち。