新型コロナウイルスの国内の感染者の広がりを受けて、都市部を中心に高校の休校を延ばす都府県が相次いでいる。一方で、予定通り新学期を始業する地域もある。(記事末尾に延長を決めた主な都府県の一覧)
安倍晋三首相は、2月末に全国の小中高校に、3月2日から春休みに入るまでの休校を要請した。強制力はないが、全国の高校の大半が3月初旬から休校となり、そのまま春休みに入った。卒業式は出席者を絞るなど縮小して開く学校が多かった。
政府は3月20日には全国一斉の休校要請を延長しない方針を決めた。その後、政府の専門家会議は「感染が拡大している地域では休校の継続も選択肢」などとする考えを示し、文科省も、「感染者が増えていたり急増が懸念される地域では休校の継続を視野に入れるべきだ」との見解を示していた。
高校生がネットで署名活動も
公立高校の休校や再開の方針は都道府県などの教育委員会が決める。私立高校は基本的に学校ごとの判断だが、同じ地域の公立校の判断をふまえるところが多くなりそうだ。
兵庫、愛知、千葉、茨城、京都、静岡など学校を再開する方針の府県の高校生有志が、感染拡大防止などを理由に、休校延長を求める署名活動をインターネット上で始める動きも出ており、その後、県教育委員会が方針を見直したケースもある。
高校の休校延長を決めた主な都府県
高校の休校の延長を決めた主な都府県は次の通り(4月6日正午時点の情報による)。
東京都:都立高校の休校をゴールデンウィークまで延長し、5月7日から再開する。夏休みを短縮して授業時間を確保する方針。(4月1日時点の情報による)
神奈川県:県立高校を4月6日の始業予定日から2週間程度休校とすることを決めた。(4月2日時点の情報による)
千葉県:県立高校を4月末まで休校とする。いったんは4月6日から再開する方針だったが、見直した。(4月5日時点の情報による)
群馬県:県立高校の休校をゴールデンウィークまで延ばし、5月7日から再開する。(4月3日時点の情報による)
山梨県:県立高校を4月19日まで休校とする。(4月5日時点の情報による)
福井県:県立高校の休校をゴールデンウィークまで延ばし、5月7日以降に再開する。(4月3日時点の情報による)
岐阜県:県立高校を4月19日まで休校とする。(4月5日時点の情報による)
愛知県:県立高校を4月19日まで休校とする。4月6~7日に再開する方針だったのを見直した。(4月6日時点の情報による)
大阪府:府立高校の休校をゴールデンウィークまで延長し、5月7日以降に再開する。(4月2日時点の情報による)
兵庫県:県立高校の休校を、一部地域を除き、4月19日まで延期する。いったんは4月8日に学校を再開する方針を決めたが変更した。(4月6日時点の情報による)
福岡県:県立高校の休校をゴールデンウィークまで延ばし、5月7日以降に再開する。(4月2日時点の情報による)