新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本ではほとんどの学校で休校になり、部活の大会が中止になるなど、高校生活にも大きな影響が広がりました。海外に留学している高校生はどんな生活を送っているのでしょうか? 高校生記者でオランダに留学しているゆみかさん(2年)にレポートしてもらいました。
中国人の友人はスーパーで買い物中に暴言吐かれ
私の住むオランダでは、日に日に感染者数が増えています。そして3月上旬、ついに私の住む街でも感染者が見つかりました。
最初の感染者が出たのは他のヨーロッパの国々に比べて遅かったにも関わらず、私の寮が国際色豊かなこともあり、コロナについての議論は、まだアジアでしか感染者がいないときから行われていました。
その内容は、「中国人やアジア人だからといってウイルスを持っているわけではないこと」「差別について」「どうやって感染を防ぐか」などでしたが、それ以前以後も学校内で差別を目撃したことはありません。
しかし残念なことに、私が友達に聞いたところによると、街中では差別されることもあるそうです。例えば、中国人の友人は、大手系列のスーパーで買い物中に複数人のグループから差別行為を受けたそうです。13、14歳くらいのオランダ人のグループから”oh Asians! They are so bad!” と叫ばれたそうです。
くしゃみをすると非難の目
当時はまだオランダ国内には感染者がいない時だったにも関わらず、このような差別があったということから、今であればもっと多くの差別があることも想像できます。しかし、感染が拡大した今は、アジア人に対する差別はもちろん、風邪気味の人やくしゃみをした人たちに対しても普段以上の非難の目が向けられます。
そして、この感染拡大によって寮を出て暮らす人がいたり、普段外出をする人がなかなか外出をしなくなったりと私たちの生活にも少なからず影響はありました。しかし、日本ほどではないと思います。
例えば、国際女性デーのデモが街中で行われ、たくさんの同級生たちが参加し、街中を歩きました。新型コロナウイルスによって起きている差別はとても深刻な問題ではありますが、現在はそれ以上に、感染を防ぐことを優先して考えていかなくてはいけない局面を迎えていると思います。(高校生記者・ゆみか=2年、3月上旬時点の状況を軸に執筆)