「やる気」は、勉強や部活で大きな成果に導くための源だ。やる気を引き出すための考え方や具体的な行動計画などを、教育に関するさまざまな専門知識を持つ石田勝紀さんに教えてもらった。(中田宗孝)
Q.目標を立ててはやる気が続かずに挫折します……。やる気を持続させるにはどうすればよいですか?
A.小さい目標にして、達成感を味わおう。
達成して自己肯定感を上げる
目標を壮大に設定しすぎてはいませんか? 例えば「苦手科目で100点を取る」という目標をたてても、達成できるのはかなり先の話になってしまいますよね。達成感がないと自己肯定感が下がり、やる気が維持できません。小さな目標を立てて、達成して、「これができた、うれしい!」という小さな成功を積み重ねること、スモールステップで歩くことが大切です。
成長過程を「見える化」しよう
そして自分が決めたゴール(目標や夢)を明確にして、自分の成長も「見える化」させましょう。例えば、英単語を覚える目標を立てたら、高校1年生の間で覚える個数を数え「○○○個覚える」と紙で貼るのもよいです。ゴール到達までの細かな目標も見える化し、一つ達成したら横線で消していくと、自分の成長の過程がひと目で分かるようになります。「こんなにやれてる自分、すごいな!」と、やる気がさらに湧いてきます。
目標の消し込み作業をし続けていくと、目標を消すプロセス自体が楽しくなり、まだ消えてない目標も気になってきます。人間の心理としては「早く取り組んで消したい」と感じるようになり、よりやる気にさせる効果があります。小さな目標を達成していき、その成功を積み重ねることが、やる気、モチベーションの維持につながるのです。
いしだ・かつのり
教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数。