「やる気」は、勉強や部活で大きな成果に導くための源だ。やる気を引き出すための考え方や具体的な行動計画などを、教育に関するさまざまな専門知識を持つ石田勝紀さんに教えてもらった。(中田宗孝)

Q.やる気はあります。……あるのに、勉強をやってもやっても成績が上がりません。ただ、焦るばかりです。助けてください。

A. 期待値と伸び率は比例しない。タイプにあった勉強法を続けよう。

タイプに合った行動を

人によって「行動のタイプ」が違います。もしかしたら、自分のタイプとは違う勉強方法をしてしまっているのかもしれません。

 

行動のタイプは大きく分けて「マルチタスク」と「シングルタスク」に分けられます。マルチタスクは、置かれた環境で多くの情報をキャッチします。声がしたら気が散ってしまいますので、リビングルームやカフェでの勉強は向いていません。10、15分程度の短時間で完結するような勉強を繰り返すと、集中力が増すのも特徴です。

反対に、シングルタスクは、ひとつのことに集中していくタイプです。苦手科目より、大好きな科目からやっていくほうが向いています。

理想が高すぎる?

また、理想が高すぎる、自分に対する期待が高すぎる可能性があります。自分の満足いく成果を実感できるまではやはり時間がかかります。特に、勉強時間と成果は比例しません(図解)。成果が出ない我慢の時を経て、ある時にぐんと成果が出ます。自分の思い描く水準まで達していないけれど、実は何かしらのリターンがあるものです。今までの自分よりも、ほんの少しだけ良くなっている部分を見落としてはいないでしょうか。「期待値と伸び率は比例しない」ことを知りましょう。

いしだ・かつのり 

 

教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数。