「やる気」は、勉強や部活で大きな成果に導くための源だ。やる気を引き出すための考え方や具体的な行動計画などを、教育に関するさまざまな専門知識を持つ石田勝紀さんに教えてもらった。(中田宗孝)
Q.親がうるさいです。「またスマホばっかり」「まだ勉強やってないの?」など、小言だらけでやる気がそがれます。
A.小言はマイナスの結果しか生まない。
行動に責任が取れるか…
親は、子どもにやる気を出してもらいたくて、ネガティブな言葉を投げかけてくるんですよね。言葉には力があります。親の気持ちはわかりますが、「まだやってないの?」などのマイナスな言葉は、マイナスな効果しか生みません。それで子どもが「やろう」という気にならないのは当たり前。高校生の皆さんが、こういう言葉を言われて「相手の言うことが違っている」と思ったら、反発していいんです。でもその代わり「自分の行動に責任を持つ」ことです。
こんなことがありました。朝起きられない子どもを持つ母親が「まだ起きないの?」と起こすのをやめました。当然子どもは「なんで起こしてくれないの?」と焦って遅刻して学校に行きます。身をもって知り、遅刻が治りました。「何も言われない代わりに、もたらされる結果を受け入れられるのか」振り返ってみましょう。これが自分の行動に責任を持つということです。
なお、「まだできていない」「スマホばかり見てしまった」と、自分自身もネガティブな言葉を使うのはやめましょう。「どうせ自分はできない」とマイナス思考のスイッチを押すことになってしまいます。「今は休憩時間」とプラスに捉えましょう。ただし、ずっと休憩時間だと何も進まないので適度に。
スマホもやる気UPツールに
スマホは悪く言われがちですね。でも、スマホも勉強に活用できる手段はたくさんあります。最近はYouTubeなどで良質な勉強の解説動画がありますよね。動画を見てやる気が出て勉強が進むなら、大いに利用してよいでしょう。難しい参考書をやることでやる気が出るタイプならそのままでも良いですが、やる気が出ないものをやっていても何の効果も出ません。
いしだ・かつのり
教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数。