10月27日、全国の小中高生を対象とした、スマートフォンアプリの開発コンテスト「アプリ甲子園」の決勝大会がスパイラルホール(東京)で開催された。10組のプログラマーが自作のアプリをプレゼンし、ARゲームを作った山口響也君(東京・三田国際学園高校3年)が優勝した。(高校生記者・松本直也)

体全体でプレー

アプリ甲子園は、アプリの企画力、新規性や技術力を競う。「使う人のことが考えられているか」「複雑なプログラミングを理解し、使いこなせているか」など、審査項目は多岐にわたる。山口君のアプリ「Crashit」は、「どんな人でもスポーツのように体験できること」をモットーにしたAR(拡張現実)ゲームだ。

最大の特徴は、スマホを動かして画面に向かってくるボールを跳ね返していく点だ。アプリを起動すると、目の前の現実の風景にブロックが出現する。限られたボールの数で、多くのブロックを壊してハイスコアを目指す。プレーさせてもらうと指先だけでなく、体全体を使ってプレーするため、スポーツをしているような気分になれる。

 
 
体全体で楽しめる山口君のゲーム(事務局提供)

3回目の応募で優勝

製作期間は2週間半ほど。決勝大会へ出場できることが決まった際に、一度最初からプログラミングをし直したという。「率直にうれしいです。今回は3回目の応募で、今までやってこなかったゲームにチャレンジしたのですが、優勝できて本当に良かったです。デザインや映像を学んで、新しい表現にチャレンジしてみたい」と語った。

プレゼンする山口君(事務局提供)

実際に体験してみた

筆者が実際にプレーしてみたところ、周囲の景色の中にオブジェクトとボールが出現し、自分がスマホの中に入って体を動かしているような感覚を体験できた。今まで、スマホゲームは指だけでプレーするものしか体験してこなかったため、体を実際に動かして遊ぶこのアプリはとても新鮮だった。

難易度も3つに分かれており、また、オブジェクトを壊すとたまにアイテムが生まれるなど、純粋にゲームとして楽しむことができた。スコアのランキングも表示されるので、プレーした全世界の人と競い合えるのも良いと思った。

各賞の受賞者は以下の通り(敬称略)

  • 【優勝・総務大臣賞】「Crashit」 山口響也(三田国際学園高校)
  • 【準優勝】「Align 」萩原爽太(角川ドワンゴ学園N高校)
  • 【第三位】「 HybridMap」 早川尚吾、高橋直希、荒井駿汰、須藤英公(東京工業大学附属 科学技術高校)
  • 【技術賞】「 Crashit 」山口響也(三田国際学園高校)
  • 【Cygames賞】「Nodes」渡辺隆太郎、兼子孟 (筑波大学附属駒場高校)
  • 【電通アイソバー賞】「Snug」 庄司隼介(慶應義塾高校)
  • 【マイナビ賞】「ピックアップ通知音」坂井田逸斗(一宮興道高校)