豊富なキャリアで磨かれた演技力で多彩な役柄を好演する俳優・神木隆之介さん。勉強や恋愛に悩む高校生記者たちからの相談に自分の高校時代を省みながら、親身に答えてくれた。(取材・高校生記者=近藤花帆、中澤彩恵、構成・中田宗孝、撮影・幡原裕治)
やる気が出ない時は休む
――勉強へのやる気が出ません。
そんな時は「やらない!」。僕も台本と向き合う気持ちになれない日があるんです。以前は、音楽を聴いたり、友達とカラオケに行ったりと、気分転換法をいろいろ試しましたが、やる気が出ないものは出ない。ならば、無理せず休むのが一番だなと。ふとした瞬間、「あ、やらなきゃ。やりたい」と、気分が乗ってきます。その好機を逃さずに、集中して取り掛かります。
――大舞台に立つ機会があるのですが、緊張してしまいます……。
僕もそうですよ! 長ぜりふの撮影前、大勢の観客の前での舞台あいさつなど、緊張で最初の一歩が踏み出せないことも。そんな時は、周りにいる人に「背中をたたいて」とお願いします。それで気持ちに勢いをつける。「背中を押す」という言葉がありますが、実際にやってみても効果があるんです。
男子は押しに弱い
――片思いの男子を遊びに誘っても「考えとく」って……。
告白のような重要なことだったら考えなきゃですけど、遊びだからねぇ。なんでだろう……。
――「一緒にタピオカを飲みに行こう」と誘いました。
彼はタピオカにあまり興味を持っていないのかも。あと男子は、女子率の高い場所に行くのはちょっと気が引けます。彼が興味を持っていることを探って、そっちをメインのスポットにして、ついでにタピオカ屋に行くプランですね!
僕もそうでしたが、男子高校生はモテたい願望が常にあるのに、恋は奥手(笑)。男は「押し」にめっぽう弱いので積極的にいこう!
細かい表情の違いを演じた
――映画「屍人荘の殺人」では、2人の探偵に振り回される助手を演じていますね。
明智達の言動に僕が驚けば驚くほど、見る人に重みのある言葉として伝わります。2人の推理を受けて、「何言っているのか分かんない!」みたいな表情をしたり、小声で「えっ、うそでしょ……」とつぶやいたりと、リアクションの芝居を細かく演じました。
――探偵役の中村倫也さんとの掛け合いが抜群に面白いです。
現場での倫也君は、リハーサルでの演技を本番で変えてくる、仕掛けてくる人。「こんな芝居を考えたんだけど、どう?」みたいな表情をするんです(笑)。僕としても真面目に芝居をしつつ、彼の演技をどう受けられるかが勝負。お互いの演技についての言葉は交わしませんが、せりふを通じて役者同士のコミュニケーションを楽しみました。
屍人荘の殺人
大学内で起きた事件を推理する日々を過ごす明智(中村倫也)と葉村(神木隆之介)は、ミステリー愛好会所属の自称「ホームズ」と「ワトソン」。彼らは、女子大生探偵の剣崎(浜辺美波)に持ち掛けられ、脅迫状が届いたロックフェス研究会の夏合宿に参加。そして、想像を絶する異常事態に巻き込まれる。配給:東宝。12月13日より全国東宝系で公開 ©2019「屍人荘の殺人」製作委員会