「きちんと睡眠をとっているに疲れが抜けない」「なかなか寝付けない」。このような睡眠の悩みを抱える高校生は多い。眠りや寝具に関する専門的な知識を持つ、寝具メーカー・西川の森優奈さんに、睡眠の質を高めるアドバイスをもらった。(中田宗孝)

Q.寝る部屋、寝る環境で気を付ける点を教えてください。

A.室温、明るさ、寝具の状態が適切か、見直しましょう。

冬は10度以上、夏は28度以下に

寝室は、図書館のような静けさ(約40デジベル)が適しています。寝室の室内温度は、冬は10度以上を保ち、夏は28度以下にすると良いでしょう。冬場、羽毛掛け布団を掛けても寒さを感じる人は、羽毛布団の下にブランケットを1枚プラス。あるいは、敷き布団(マットレス)の上に保温性のある敷きパットを1枚プラスするなどのインナー寝具を組み合わせると布団の中がより暖まります。

 

眠るときの明るさは0.3ルクス程度に

眠る時の明るさは、周囲の物がぼんやりと見える程度(約0.3ルクス)が理想的。寝室を真っ暗にしすぎて眠れなくなったという経験はないでしょうか。真っ暗にすることでストレスが溜まってしまう方もいますので、無理に真っ暗にする必要はありません。

どうしても部屋の中が明るくないと眠れないという人もいるかと思います。明るくしたままの室内では睡眠中の「メラトニン」の分泌が抑制されてしまいます。とはいえ、どうしても明るいままではないと眠れない方は寝室の蛍光灯が真っ白い白熱灯であれば、オレンジっぽい暖色系の光に変えてみる。または、顔に明かりが当たらないように暖色系の間接照明を足元の方に置いてみてください。

就寝専用のパジャマを着よう

そして、就寝専用のパジャマに着替えていただきたいです。高校生の方ですと、ジャージなどの部屋着をそのままパジャマにしている人も多いのではないでしょうか。部屋着からパジャマに着替えることで「自分はこれから寝ますよ」という「眠りのモード」に頭のスイッチを切り替えられます。また、締め付けのないサイズ・寝ている間にかく汗を素早く吸収してくれる素材のパジャマがおすすめです。 

森優奈さん(西川)

 

西川・日本睡眠科学研究所認定のスリープマスター。寝具選びのコンサルティング、快適な睡眠環境づくりのアドバイスを行う。眠りについての情報発信を行い、テレビ・雑誌・新聞などの取材対応を含む広報を担当する。