高校生世代にとっても気になる風邪の治し方について、感染症・呼吸器内科が専門の医師・川名明彦先生に聞いた。(野口涼)
Q. 風邪をひくと、はちみつレモンが良いとかしょうががよいなどと聞きますが、早く治すために摂るとよい食べ物や飲み物はあるのですか?
A.実は科学的な根拠はない、けれど……
たしかに、はちみつレモンを飲むとよい、ネギをたくさん食べたりすると喉の痛みがやわらぐなど、聞きますよね。厚着をして寝ると汗が出て熱が下がるなども耳にします。こういった民間療法は数多くありますが、実はどれも科学的な根拠はありません。ただし、それらをやめたほうがいいという理由もまたないのが事実なのです。私自身ものど飴をなめると喉の痛みがやわらぐような気がします。
民間療法がサイエンスの俎上に上がらないのは、さほどの有効性が認められていないから。しかし風邪薬であっても、そもそも病気そのものを治すことはできません。薬には多かれ少なかれ副作用がありますから、はちみつレモンを飲んで症状がやわらぐ気がするのなら、ぜひ飲んでいただきたいと思います。
ただし、漢方薬やサプリメントの中には、間違った使い方をすると体に悪いものもあります。自己判断でなじみのないものを摂取するのは、慎重にしたほうがいいでしょう。
川名明彦先生
かわな・あきひこ 防衛医科大学校病院感染症・呼吸器内科診療部長。防衛医科大学校内科学講座(感染症・呼吸器)教授。医学博士