高校生世代にとっても気になる風邪の治し方について、感染症・呼吸器内科が専門の医師・川名明彦先生に聞いた。(野口涼)

Q. 風邪をひいたのですが、病院に行くかどうか迷っています。判断基準を教えてください。

A.食事がとれるかどうかが基準になります

 

風邪は、食事が取れないようであれば状態がよくないサインです。食欲がなく食事がとれないときは、病院を受診したほうがいい場合もあります。

ただ、覚えておいていただきたいのは、風邪を根本的に治す薬はないということ。病院で処方してもらえるのは鼻水、喉の痛み、発熱などの症状をやわらげる薬や、それらの成分を一つにまとめた合剤です。ちなみに風邪の合剤は、薬局で買える総合感冒薬(ルルやベンザなど)とほぼ同じ成分です。

病院の待合室で2時間待つより、市販の風邪薬を飲み、家で暖かくして1〜2日学校を休んだほうがよいという考え方もあります。単なる風邪ならば休養を取れば治るもの。自分の体の状態をよく見て、判断しましょう。ただし、インフルエンザには治療薬がありますので、インフルエンザ流行中にはマスクを付けて病院を受診してください。

 

川名明彦先生 

かわな・あきひこ 防衛医科大学校病院感染症・呼吸器内科診療部長。防衛医科大学校内科学講座(感染症・呼吸器)教授。医学博士