選抜された全国の文化部の生徒が作品や演技発表などを行う「全国高校総合文化祭」。美術・工芸部門の会場で、どんと鎮座する大きなキノコのオブジェ「Student」に目を引かれた。作ったのは髙澤薫さん、宮川美紅さん(新潟・高田北城高校3年)だ。キノコが大好きという髙澤さんに話を聞いた。(野村麻里子)
夕食にキノコ、食べて!
―このキノコ、何で作ったんですか?
土台はダンボールと新聞紙、周りが紙粘土です。色はアクリル絵の具で塗りました。
―種類は?
シイタケです。
―これを作ろうと思ったきっかけは?
もともとキノコが好き。何か、キノコに関するものを作りたいなと思っていたんです。大きいものを作りたかったんですけど、一人じゃ作れないなと思って、宮川さんを誘いました。
作品を見た人の頭の隅に、キノコっていう単語が残っていてほしいな。さらにその日の夕食に、キノコを食べてくれたらうれしいなと考えてます。
―本当にキノコが大好きなんですね。いつからキノコラブだったんですか?
いつからは覚えてないんですけど、気づいたときからもうキノコが好きでした。小学生の時に買った持ち物や服はキノコ柄が多かったです。
キノコと生徒「似ている」
―シイタケのオブジェなのに、なぜStudentというタイトルなんですか?
キノコが好きで、私にとっての身近なものはキノコなんです。でも、ほかにも身近なものは何かを考えたら、学校がとても身近な存在。キノコと学校は全然違うものなんですけど、「身近」という面では、私にとっては、すごい近いものなんです。
キノコも種類がたくさんあって、それはまるで学校にいる生徒みたいだなって思ったんです。キノコと生徒、Studentを掛け合わせて、題名にしました。
―確かに、言われてみると、キノコが生えている感じと、教室で生徒が座っている感じは似ているかも。
丸さ出すのに一苦労
―完成した時、何を感じましたか。うまくいったところを教えてください。
キノコの内側のひだの部分です。こだわって二人でずっと、ひたすら無心で作りました。
―リアルですね。紙粘土だから、こういう質感が出るんですか?
そうですね。
―一番難しかったのは、どの部分ですか?
キノコの傘です。丸さを出したかったんですけど、土台がダンボールなので、なかなかこの丸さになってくれなくて。
―段ボール、固いですもんね。どうやって丸くしたんですか?
新聞紙を丸めて重ねていって、この丸さになりました。
―あらためてお話を聞くと、とても深みのある作品だなと思いました。ありがとうございました。