親子関係に悩んだときは、どのような考え方をしてどう対処すればよいのか、発達心理学を専門とする菅原ますみ教授(お茶の水女子大学)に聞いた。(安永美穂)

Q.中3の進路面談のときにケンカをしてから、母親と話すのをずっと避けています。そろそろ話してみようかと思うこともあるのですが、いろいろなことを聞かれるのが面倒くさくて、会話は必要最小限のみです。(1年男子)

A.父親や先生、スクールカウンセラーなどに協力を求めて

意地を張り続けるのは疲れることなので、感情的にならずに戦略を立てて対処することをおすすめします。まず、「なぜこうなっているのか」を分析し、自分にも非があるなら謝ります。親にこちらの話を聞き入れる余裕がない場合は、どのように接していけばよいかを、父親やスクールカウンセラーに相談してみましょう。

信頼できる大人に頼む

 

進路に関することなど、直接、話をすると口論になりそうな場合は、父親や学校の先生といった他の信頼できる大人に自分の思いを伝えてもらうように頼んでみるのも一つの方法です。

話しやすい雰囲気をつくるには、家事など、母親が「これをやってくれると助かる」と思うことを手伝うのも効果的です。「あれこれ聞かれるのは困るけれど、お母さんなりに私のことを気にかけてくれているんだよね」と相手のことをポジティブにとらえる視点も取り入れて、どこかでクールダウンできるといいですね。

菅原ますみ教授

 

すがわら・ますみ お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授。専門は発達心理学、発達精神病理学。国立精神・神経センター精神保健研究所 家族・地域研究室長などを歴任。