全国高校総体(インターハイ)陸上の男子走り幅跳び決勝が2019年8月5日に沖縄県沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、藤原孝輝(京都・洛南2年)が高校生では初の8メートル超えとなる8メートル12(追い風1.7メートル)の大跳躍。従来の高校記録(7メートル96)を実に30年ぶりに塗り替え、初優勝に花を添えた。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

インターハイ陸上男子走り幅跳びで優勝した藤原孝輝

日本歴代7位タイの快記録

6月の近畿大会を7メートル60(追い風1.0メートル)で制し、優勝候補の一人として迎えた今大会。午前の予選は「良い感覚で跳べていた」にも関わらず、決勝では2回目までに記録が伸びず、4回目以降に進めるトップ8に残れない危機に直面していた。そこで「助走のスタート位置を2メートルほど前にし、足を合わせながらリズムを意識することを大切にした」ことが功を奏し、7メートル40(追い風1.3メートル)と2位に浮上。後半の高パフォーマンスにつなげた。

4回目に大会新および自己新となる7メートル82(追い風1.8メートル)をマークしてトップに躍り出ると、完全に自信を取り戻した。自身が「中間マークから最後の踏み切りまでの流れがすごくまとまっていた」と振り返る最終跳躍の8メートル12は、高校新記録だけにとどまらない。U20とU18の日本新記録、さらに日本歴代でも7位タイにランクされる快記録だ。藤原は「驚きとうれしさがほとんど。他のことは全然考えられないような感じです」と興奮気味に語った。