全国高校総体(インターハイ)陸上の男子棒高跳び決勝が2019年8月5日に沖縄県沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、古沢一生(群馬・前橋育英2年)が5メートル27で初優勝。1年生Vを期待されながら6位に終わった前回の雪辱を果たした。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

インターハイ陸上男子棒高跳びで優勝した古沢一生

ユース五輪で銀、メンタル磨く

今季は群馬県大会で5メートル30の高校歴代4位タイをマークし、6月の日本選手権でも雨中の悪条件下で5メートル21を跳んだ。堂々のランキング1位で迎えた2度目のインターハイ。炎天下の約4時間に及んだ試合の中で、古沢の1年前からの成長が随所に見て取れた。

序盤の4メートル台の高さは「パス」を挟みながら体力を温存。5メートル00と5メートル05はともに1回目を失敗したが、冷静に修正を加え、2回目で難なくクリアした。4人が挑んだ5メートル10、3人が挑んだ5メートル15をいずれも1回目で成功させ、勝負あり。古沢は、「5メートルに入ってもまだ何人も残っていたところで、3本目ではなく、1、2本目で決められたのは、精神的にも余裕を持って次の跳躍に臨めて、勝負という点で良かった」と感じている。

1年前の古沢になくて、今季の古沢にあるもの。それは「世界」での経験だった。昨年10月にユース五輪、今年3月にアジア・ユース選手権に出場し、ともに銀メダルを獲得。「大きい舞台でメンタルを左右されず、力を発揮することを覚えてきたつもり。それがこの大会でも出せたと思います」と胸を張る。ライバルたちが必死に食らいついてきても、古沢は自分がやるべきことだけに終始、集中していた。